司法取引に応じた企業の元幹部77人の聴取が完了

2016年 12月 18日

テオリ・ザヴァスキー

グローボ系ニュースサイト「G1」が12月17日づけで報じたところによると、贈収賄捜査進展のカギを握るブラジルのゼネコン大手・オデブレヒト(オーデブレヒチ)社の幹部・元幹部77人の聴取が完了したという。

77人は自身の減刑と引き換えに贈収賄に関する重要情報を検察に提供する司法取引に応じ、検察は順次聴取を行ってきた。聴取は最高裁判所の一室で行われた。

聴取に関する資料はラヴァ・ジャット(洗車)作戦を審議するテオリ・ザヴァスキー判事とその配下の判事のみが閲覧可能となる。

77人はそれぞれ1回以上の聴取を受け、検察は800件以上の証言を得たと見られる。聴取は17日の未明に完了し、すべてビデオで録画されているという。

休廷に入る前日の19日には裁判所に届く予定となっているが、休廷前に分析できる量は非常に限られていると言わざるを得ない。

とはいいながら、ザヴァスキー判事は、2017年2月の開廷前には映像の分析を終わらせ、再開廷直後の数日で証言について法廷の認証を受けるという条件付きで進める手段を講じるとみられる。

判事は時間が限られた中、1月いっぱい補助裁判官を動員し、77人の聴取動画を分析し、文書化していくものとみられている。なお、聴取は、自由意思に基づいて証言されたことを明確にするため、弁護士立ち合いの下で行われ、録画された。

司法取引から得た証言についてはすべて法廷で認証するという要件を満たす必要がある。カルメン・ルシア最高裁判所長官が審議団の増強を支援するのは確実とみられている。

現段階ではザヴァスキー判事は証言内容の分析をまだ行っていないため、厳密には法的要件を満たせないことになる。しかしながら黙秘権、身体安全の確保など、証人の権利を守って得た証言は有効だと述べている。

77人の証言から漏れた情報があったり、法に反するものがあった場合は判事はホドリゴ・ジャノー連邦検察長官に補完を求めることになる。ザヴァスキー判事はラヴァ・ジャット作戦を通じて、情報が足りない、として証言を多数無効としてきている。

法廷での証言の認証が終わって初めて、検察長官は誰を捜査対象とするか選定できることになる。

77人の証言には多くの議員の名前が挙がっているため、捜査対象の決定には政界の思惑が介在するものとみられる。

(文/原田 侑、写真/Nelson Jr./SCO/STF)
写真は2015年11月24日、ブラジリアにて。テオリ・ザヴァスキー判事