大晦日の聖シルヴェストリ国際マラソン、リオ五輪金メダリストが優勝
2017年 01月 1日ブラジル、サンパウロ市の大晦日の風物詩ともなっている、市内約15㎞を走るサン・シルヴェストリ(聖シルヴェストリ)国際マラソンが2016年も12月31日に開催された。グローボ系列の現地メディア「エポカ・ネゴシオス」や主催者が伝えている。
この大会は、2016年1月14日、ジェラウド・アウキミン知事によってサンパウロ州の無形文化財に指定されている(法律番号16.112/16)。
大会には、現在は国籍や性別を問わず誰でも参加することができる。競技は車いす部門、障がい者部門、競技部門、一般部門などに分かれている。アフリカをはじめ世界のさまざまな地域や国から多くの人が参加することでも知られている。
92回目を迎えた2016年の聖シルヴェストリ国際マラソン大会は12月31日の午前中に開催され、約3万人のアスリートが参加したという。
2016年の競技部門はアフリカ勢が席巻した。
男子はエチオピアのラ・アレン(Leul Lemme)が44m53で、女子はリオデジャネイロオリンピック女子マラソンの金メダリストでもあるケニアのジェミマ・スムゴング(Jemima Sumgong)が48m35で優勝した。
男子では2位がやはりエチオピアのダーウィット・アドマスー(Dawit Admasu)、3位がケニアのステファン・コスゲイ(Stephen Kosgei)で、3人が優勝争いを繰り広げた。4位はブラジルのジオヴァーニ・ドス・サントス(Giovani dos Santos)、5位はケニアのウィリアン・キボール(Willian Kibor)だった。
女子はジェミマ・スムゴングが独走状態で優勝したが、上位5位もアフリカ勢が占めた。2位はケニアのフロメナ・シェイエ・ダニエウ(Flomena Cheyech Daniel)、3位はケニア出身でバーレーンから出場しているユニス・セビシ(Eunice Cehbicii)、4位は2008年の優勝者でもあるエチオピアのイメル・アヤレウ(Ymer Wude Ayalew)、5位もエチオピアのエステル・チェサング・カクリ(Ester Chesang Kakuri)だった。
「聖シルヴェストリ国際マラソンの運営者のみなさん、そして特に、路上で声援を送ってくれた素晴らしいみなさんに感謝します」(ジェミマ・スムゴング)
「大変な挑戦でしたが、皆が応援してくれているのをひしひしと感じました。本当に、本当にありがとうございます」(ラ・アレン)
大会主催者によると、年末のサンパウロ市の暑さや、坂が多いサンパウロ市の道、特にブリガデイロ・ルイス・アントニオ大通りの急こう配を走り抜けるのに、アフリカ出身の選手たちはものともしなかったと述べている。
(文/麻生雅人、写真/Paulo Pinto/Fotos Públicas)
2016年12月31日、第92回聖シルヴェストリ国際マラソン、女子競技部門で優勝したジェミマ・スムゴング選手、写真下はジェミマ選手(右)と男子優勝のラ・アレン選手