ジョアン・ボスコとアウヂール・ブランキの1971年の未発表曲、公開
2017年 01月 20日
モレイラ・サリス財団が運営するインターネット・ラジオ「バトゥッタ」が8月13日(土)、未発表となっていたジョアン・ボスコの曲「オス・アルコス~パイシャォン・イ・モルチ」を初公開した。
同曲はジョアン・ボスコと作詞家アウヂール・ブランキが出会った1971に共作された曲で、リオのラパを舞台にした9分にわたる組曲。
まだデビュー前だったジョアン・ボスコは当時ミナスジェライス州オウロ・プレット市在住で、リオ在住のアウヂールとは共通の友人を介して知り合ったという。
意気投合したふたりは書簡のやりとりでこの曲を作り上げたが、ジョアンはラパはおろかリオにすら行ったことはなかったという。
タイトルにあるアルコとはラパの名物アルコ・ダ・ラパ(水道橋)のこと。「オ・グローボ」のインタビューでアウヂール・ブランキは、半円形が延々と続く同橋の幾何学的な建築のデザインにインスパイアされ、この情景を声とギターの反復で表わすことを試みたと語っている。
1973年に発表されたジョアン・ボスコのデビュー・アルバム「ジョアン・ボスコ」の製作時に、実はこの曲はルイス・エサのアレンジで録音されていたという。しかし、曲の長さに難色を示したRCAが収録を許可せず、未発表となっていた。
録音テープは43年間、同アルバムをプロデュースしたヒウド・オルタが保管していたという。
ちなみ同アルバムでは他に6曲、幻のルイス・エサのアレンジによる録音があったという。
もともと同アルバムはルイス・エサがアレンジを任されて録音されたものだったが、6曲がRCAに難色を示され、ホジェーリオ・ドゥプラのアレンジで録音し直されている。ルイス・エサ、ジョアン、アウヂールにとっては納得のいくつくりではなかったという。
「オス・アルコス~パイシャォン・イ・モルチ」は歌手マリアナ・バウタール&アグア・ヂ・モリンガによっても録音され、デジタルアルバムで発表された。
(文/麻生雅人)