何かが麻痺してる…リオデジャネイロ
2017年 02月 5日昨日はサウゲイロのコミュニティで練習がありました。これは練習に向かう道中の出来事。
地下鉄を降りて、バスに乗り換えようと出口を出た瞬間。前方から猛烈な勢いで走ってくる、8歳くらいの男の子とすれ違いました。
なんだ、なんだ??
そしてバス停に着くや否や。私の真横で「バンッ!!」と大きな音。誰かがバスの床を凄い勢いで蹴って 過ぎ去っていきました。またしても、子ども。
実は私、その子とぶつかって、その子の足にひっかかっていました。
わけの分からない行動と音にビックリして、心臓がドキーーーン。
一緒に来ていた友達とも顔を見合わせ、「え?? 何、なに、今の?? 怖くない!?」とハテナだらけ。
でも私たちはサウゲイロに向かわなければいけないので、とりあえず停まっていたバスに乗り込みました。バスの中には知っている顔が。サウゲイロの仲間と同じバスだ、良かった、と安心していたら…。
車内はやけにザワザワ。何かの話でもちきりの模様。
どうやら私たちが乗ったバスは、今しがた、4~5人の子どもの強盗が乗り込んで襲った直後だった。バス停に停まってお客さん降ろすために後ろのドアを開けた瞬間に、子どもたち4~5人がバーッと入ってきて、赤毛の白人の女の子の携帯を奪って走って逃げたのだとか。
地下鉄の出口ですれ違った子たちは携帯を持って走って逃げていたのでしょう。私とぶつかった子も、その一味だったんだと思う…。
そんなバスだとは知らずに私たちは乗ったというわけです。
あと、1分違ってれば、完全に私たち日本人のカバン、やられてただろうな…。どうせ物を盗るなら、日本人は目立つし、お金持ってそうだし。
強盗に対面しなかっただけでも精神的にはマシですが、ここで悔しいのが、その後のバスの中のやりとり。
携帯を盗られた赤毛の女の子に運転手さんが、「今ここで降りて警察に盗られた報告するかい?」と尋ねて、バスの発車を待ってたんだけど、その女の子の答えは、「いい。大丈夫。どうせ行っても仕方ないから」。
って…。
確かにこんな事ぐらいじゃこっちの警察は何にもしてくれないくて、時間の無駄になるだけなのかもしれません。
物を盗られても警察は何もしてくれない。犯人たちも、誰も罰を与えないのなら強盗し放題。
この悪循環。
物を盗られた女の子の周りの人達はザワザワとしばらくその話でもちきりだったけど、すぐに何事もなかったかのように。前に座ってる人達なんて何事も無かったかの様に、しばらくするともうみーーんな携帯触っちゃってるし。
えー、たった5分くらいに前に強盗が入ってきた所なんでですけど!?
これは完全に感覚の麻痺。
サウゲイロのバス停に着くまで、しばらく、この遭遇してしまった出来事に心臓がドキドキして落ち着きませんでしたが、気を取り直してサウゲイロの練習へ向かいました。
(文/工藤めぐみ、写真/Alexandre Macieira/Riotur)