2017年 04月 29日 00:50
前代未聞の巨額の贈賄を行ってきたオデブレヒト(オーデブレヒチ)社の幹部・元幹部の証言が政界をゆさぶり続け、ブラジル政財界は、次の逮捕者は誰かと落ち着かないようだ。
賄賂を取り放題だった時代を引きずる大物政治家や企業家が逮捕され、彼らの懐に入った財産が、ほんの一部だが、社会に早期還元されようとしている。
グローボ系ニュースサイト「G1」が4月25日づけで伝えたところによると、現在収監されている贈収賄事件の被告に有罪判決が下った場合は、裁判所は彼らから押収した財産を競売にかけることになるという。
豪邸、ボート、ヨット、宝石、農場そして高級車…。マルセロ・ブレッタス判事からの要請で、25日の連邦第七法廷は現段階までに「ラヴァ・ジャット(洗車)作戦」で押収されたもろもろの財産を競売にかけるという意思表示から始まった。競売により国庫金をいくばくか取り返すことができるためだという。
押収した財産の合計額は、試算によると10億レアル(約340億円)を超えるとみられる。
これらの財産を押収されたのは前リオデジャネイロ州知事セルジオ・カブラウ氏とその妻アドリアーナ・アンセルモ氏、事業家のアイキ・バチスタ氏、フェルナンド・カヴェンディッシ氏、ミゲウ・スキン氏、そしてリオデジャネイロ州保健相セルジオ・コルテス氏だ。
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(文/原田 侑、写真/Divulgação/Polícia Federal)
写真は2017年1月26日、贈収賄捜査「ラヴァジャット」作戦の一環で行われた「エフィシエンシア」作戦で押収されたアイキ・バチスタ氏のポルシェ車
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