ソフトバンク、ブラジルの大手配車アプリ「99」に112億円を投資

2017年 05月 27日

99 ブラジル 配車アプリ

急成長を遂げているスマホ用配車アプリ会社の99が、日本のソフトバンクから1億USドル(約112億円)の投資を受けると、ブラジル現地メディア「オ・グローボ」が5月24日に伝えている。

ブラジルの都市部では既存の一般タクシーに代わり、スマートフォンのアプリで配車サービスが受けられるライドシェアが浸透している。

現在ブラジルでは、アメリカ合衆国から上陸したウーバー、スペインから上陸したカビフィと、2社のブラジル企業、南米最大のイージー(12か国、170都市で展開)と国内最大手の99(ノヴェンタ・イ・ノヴィ)の4社が市場をリードしている。

これらのライドシェアサービスは、アプリを使ってあらかじめ行先も指定してあるため金額も決まっており、なおかつ一般タクシーよりも割安であることが多い。また、乗客には冷えたミネラルウォーターや飴などが提供されるなど、おもてなしのサービスも人気となっている。

99は2012年に創業。一般タクシーの配車を行う99 Taxiとして営業していたが、2016年からはライドシェアの配車も行うアプリ「99 POP」をスタートさせている。

同社は、配車アプリ「99POP」の成長を強化してブラジル国内で業界のリーダーシップをとり、南米全体に展開すると述べた。

ソフトバンクのデヴィッド・テヴェノン・エグゼクティブディレクターは99への支援について下記のように述べた。

「ラテンアメリカにおけるモビリティ・ソリューションの分野は大いなる成長と、明るい展望を持っています。99は現在400以上の都市で稼働しており、ブラジル国内で目を見張る成長を遂げました。数百万人のユーザーの生活を便利にしています。私たちは99という現地における牽引者を支援して、彼らが長期的に彼らの成功を応援できることを嬉しく思います」(ダヴィジ・チヴェンソン)

99は2017年1月に、中国の大手配車サービス、滴滴出行(ディディチューシン)の主導によりタイガー・グローバル、モナシス、クアルコム・ベンチャーズが参加したラウンドから約1億USドル(約112億円)の投資を受けておると、ブラジルの経済誌「ヴァロール」が伝えている。

「オ・グローボ」によると、これで投資を受けた額は約2億USドル(約224億円)以上になり、ブラジルでも最大規模の投資ラウンドになるという。

99のピーター・フェルナンデスCEOは、今年に入って99が受け取ったすべての投資が、同社をラテンアメリカ市場のリーダーにするだろうと述べた。

「滴滴出行(ディディチューシン)からの最初の投資で『99POP』のサービスは成長して毎週顧客を増やしています。私たちの戦略は良い結果をもたらすでそう。そして今、当社の投資家のポートフォリオにソフトバンクが参加していることを大変うれしく思います。このことは、ラテンアメリカで成長しているモビリティ・ソリューション市場を当社がけん引していくこと、私たちがよい軌道に乗っていることを示しています」(ピーター・フェルナンデスCEO)

(文/麻生雅人、写真/Reprodução/Internet)
写真は99が提供するサービスのひとつ