リオ市がカーニバルの予算削減を発表。2018年は開催不可能か⁉︎

2017年 06月 16日

パードリミゲウ リオ

リオデジャネイロ・エスコーラ・ヂ・サンバ協会(LIESA)は、現地時間6月14日(水)、リオデジャネイロ市が12日に発表した2018年度のカーニバルのための予算削減により、来年のサンボードロモでのパレードは実行不可能になるかもしれない、との声明を発表した。ブラジルの現地メディア「グローボ」などが報じている。

「エスコーラ・ジ・サンバ(サンバ団体)の前に立ちふさがっている困難の数々や市長によって示されている現状を考えると、カーニバルの準備や製造の支援を50%も削減されると、来年のパレードの開催は不可能という結論になりました」とLIESA代表のジョルジ・カスタニェイラ氏は述べた。

グランヂヒオ

「我々は解決の糸口を見つけるため、各エスコーラの代表と市長によるヒアリングの日程を調整中です。市が決めた方法の中でショーを実行することは非常に困難で、現実的ではありません」(ジョルジ・カスタニェイラ氏)

リオデジャネイロ市のクリヴェッラ市長は、今週月曜日にこのカーニバル予算の削減について言及。削減した予算は、自治体と協力して、保育園の食料や学校用品の向上に費やすことを計画しているという。

「保育園には、現在12,000人もの子供達がいます。リオ市は一人当たりに10レアルを支払っていますが、これを最低20レアルに増やす必要があります。これらすべては、我々の緊縮と犠牲を必要とし、誰もが貢献する必要があるのです。我々は多くの部署や政治的オフィスを削減しました。カーニバルは我々に貢献し、これらの努力に協力する必要があります」(クリヴェッラ市長)

アカデミコス・ダ・ホッシーニャ

LIESAは、2017年度のカーニバルで市から24万レアルを受け取っている。

声明の中で、LIESAは、市長の決断についてのニュースを驚きをもって受けたと述べ、経済的、金融的、雇用創出や収入の巨大な利益だけでなく、リオデジャネイロやブラジルのイメージ向上、またパレードの準備や実施期間中に提供される直接および間接税といった税収の大幅な増加について強調した。

「リオデジャネイロ市観光局(Riotur)の調査による”30億レアル”という数字は、この予算に関連する分野によって作られています。市による売り上げではなく、我々の活動、つまりカーニバルによって生み出された売り上げなのです。カーニバルの削減は、それだけでリオの街に利益をもたらすイベントからの、文化的、芸術的、経済的な分野の削減を意味します」(ジョルジ・カスタニェイラ氏)

ポルテーラ

LIESAは、問題を議論するため市長との会議を月曜日に予定していたが、市長の旅行によりキャンセルとなっている。会議は来週始めに改めてセッティングされている。

Riotur代表のマルセロ・アウヴェス氏は、カーニバル2018ができる限り最善のかたちで開催できるよう、LIESAと共に方法を検証していけるようコンタクトを取っていくと述べた。

ポルテーラ

ネット上では、カーニバル反対派の人々の声が目立っているようで、「市長よく決断した! 市民はパンや教育や病院を必要としている」、「市長あっぱれ! あなたは正しい」といったコメントが多く寄せられている。

リオデジャネイロの観光の目玉である、あのきらびやかなカーニバルが開催されないとなると、外国人の我々からすれば少々寂しいニュースである。経過を見守る必要がありそうだ。

(文/柳田あや、写真/Riotur、(ポルテーラ)Cezar Loureiro/Riotur)
写真上から2月25日、ウニードス・ジ・パードリ・ミゲウ、グランヂヒオ、アカデミコス・ダ・ホッシーニャ、ポルテーラ