2018年のサッカー・ブラジル代表はここが違う!? めざせベストドレッサー!?

2018年 05月 26日

サッカーブラジル代表 ネイマール

母国のデザイナーの手によるスーツを仕立てることを発案したのはブラジルサッカー連盟のチームコーディネーターでチチ監督の右腕としても知られるエドゥ・ガスパール氏。ブラジルが初優勝を果たした1958年のワールドカップ・スウェーデン大会の写真を見ていて、かつてのブラジル代表が持っていた伝統を蘇らせたいと考えたという。

同時にエドゥ・ガスパールは、伝統的なだけでなくモダンさも必要だと考えた。エドゥが重視したのは、第一にブラジル人デザイナーであること、第二にこのプロジェクトとコンセプトを理解してくれること、第三にチーム全員の服を同じ質で仕立てる技術があること、第四に価格だったという。

そして、候補となった4ブランドの中から最終的に選ばれたのは、ブラジルを代表するデザイナーズブランドのひとつ、ヒカルド・アウメイダだった。きっちりとしたビスポークの仕立てができることも今回のスーツ・プロジェクトの重要なポイントだったが、仕立ての技術もヒカルド・アウメイダが採用された理由のひとつだったという。

ちなみに、チチ監督はもともと個人的にヒカルド・アウメイダでスーツを仕立てていたという。初めてヒカルド・アウメイダのスーツを仕立てたのは2年前、自身の息子の結婚式のためのスーツだった。

チチ監督

「結果的にエドゥは候補の中から最終的にヒカルドを選びましたが、個人的にはヒカルドが選ばれたらいいなと思っていました(笑)」(チチ監督)

特筆すべきは、今回新調されるスーツは、採寸から仮縫いを経て最終的に服が仕立てられる、ビスポーク(フルオーダー)で制作されるという点だろう。

2014年のブラジル大会では、フランス、ドイツ、スーツの本場イングランドでさえも、代表選手の公式スーツはパターンオーダーだったという。

23名の招集選手だけでなく監督からコーチまで代表団全員(女性3名を含む)が、フルオーダーでスーツを仕立てるという。

最初の採寸は2017年10月8日と9日、チリとの親善試合の直前にサンパウロのホテル・チヴォリのスィートルームで行われたという。40名が、のべ約10時間に渡って採寸を行ったという。

ヒカルド・アウメイダにとっては、アスリートのスーツ作りの採寸ならではの苦労があったという。

「ブラジル代表選手たちは特別な体をしています。太もももお尻も特殊な発達をしている反面、ウエストは細い。既製服とはかなり異なります。そのうえ、選手一人一人が、かなり特殊な身体的特徴を持っています。例えばゴールキーパーのカシオは、腕と肩は平らで、姿勢も独特でした」(ヒカルド・アウメイダ)

2018年2月にはCBF本部で、3月22には、27日の国際親善試合のためにセレソンが集結したドイツで、仮縫いが行われた。またドイツでは、アシスタントコーチのシウヴィーニョ、フィジカルトレーナーのヒカルド・ホーザ、理学療法士のブルーノ・マチオッチなど国外在住のスタッフ陣、新たに代表に召集されたメンバーの採寸も行われた。反対に、昨年、チリ戦の前に採寸をした選手の中には、最終的には代表に選ばれない選手もでてくるが、その場合はスーツは仕立てられないという。

近く、セレソンブラジレイラが国際的な舞台に登場するとき、新しく仕立てたスーツ姿を拝めそうだ。

(文/麻生雅人、写真/Lucas Figueiredo/CBF、Rafael Ribeiro/CBF)
写真上は2017年11月6日、対日本代表戦を控え、パリに集結したセレソン・ブラジレイラの格好はカジュアルだった。写真下はチチ監督