クリチーバ市のシェフがカチグア種のコーヒー豆を販売

2018年 07月 18日

ブラジル コーヒー

コーヒー大国ブラジルでは、プレミアムクラスのコーヒー豆は主に輸出用に生産されていたこともあり、自国内でスペシャルティ・コーヒーを飲む習慣は決して多くはなかった。

近年、カプセル式コーヒーのブームを経て、ガストロノミー界やコーヒー愛好家の間で、ペーパードリップでおいしいコーヒーを飲むスタイルが徐々に浸透しつつある。

そんな中、生産者や焙煎人とコラボレーションを行い、自身の料理哲学にもとづいたコーヒー豆を発売するシェフもあらわれはじめている。

パラナ州クリチーバ市のガストロノミー・シーンで注目を集めるレストラン「マヌー」のマヌー・ブッファラ・シェフが先月、焙煎マスターでもある「ジスチント・カフェス・エスペシアイス」のクラウジア・ベントリンと共に開発した新しいコーヒーを発売したと現地メディアが伝えている。

マヌー、クラウジアの両氏は2017年に初めてオリジナルのコーヒー豆「カフェ・ダ・マヌー」を発売した。こちらはレッドブルボン種の豆だったが、今年(2018年)に届けられたのは、より特別な豆となった。

マヌー・シェフが選んだのは、パラナ州にあるヒベイラォンクラーロ農場の2番目の収穫で採れたカチグア種のコーヒー豆だ。カチグア種は、イエロー・カトゥアイー種とティモール種のハイブリッドで生まれた種。香りはパイナップルやマンゴー、パッションフルーツなど黄色いフルーツを思わせ、独特の酸味の裏に甘味があり、乾燥フルーツを思わせる味がするとのこと。

マヌー・シェフは、自身のレストランで出している、多様な素材の味を生かした料理に合うコーヒーを求めて、この豆にたどりついたという。同農場で採れるカチグア種の豆はコーヒー袋4袋分だけだという。

「カフェ・ダ・マヌー」はSNSなどを通じて一般にも販売される。

(写真・文/麻生雅人)
写真はクリチーバ市のレストラン「マヌー」