「RIZIN.14」互いに火花を散らしたブラジル人戦士、それぞれの思いを語る

2019年 01月 2日

RIZIN14 ブラジル ギャビ バーバラ

2018年12月31日(月)、さいたまスーパーアリーナにて「RIZIN.14」が大盛況のうちに幕を閉じた。

10試合目に行われたギャビ・ガルシア選手ととバーバラ・ネポムセーノ選手のブラジル人同士の対決は、1R 2分35秒でアームロックによりギャビ・ガルシア選手が一本勝ちをおさめた。試合後ギャビ選手とバーバラ選手はリング上で抱き合い、いくつかの言葉を交わしていた。

試合後のインタビューで、ギャビ選手とバーバラ選手が現在の胸の内を語ってくれた。

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●バーバラ・ネポムセーノ選手

--試合を振り返ってみていかがでしょうか。

「初めてこういった規模の大会に参戦できて本当に嬉しく思ってますし、誇りに思います。RIZINにはレベルの高い選手がたくさん出場していますし、自分がこの場にいるということ自体で、大きな夢が叶ったと思っています。試合に勝てなかったことは残念でした」

--試合後にギャビ選手と抱き合い、なにか話していましたね。具体的にどんな話をしたか打ち明けてもらえますか?

「SNS上での誤解について話しました。SNSではわたしたちのお互いの気持ちについて誤解が生じていたので、とても残念だと思っていたのです。わたしはギャビ選手のことを一切、悪いように思っていなかったので、そのことを直にはっきり伝えたかったのです。

そして、改めてお礼を言いました。ギャビ選手のおかげで初めて日本に来ることができましたし、RIZINに出場することができたのですから。全てはわたしの挑戦状を受けてくれたギャビ選手のおかげだと思っています」

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●ギャビ・ガルシア選手

--試合を振り返ってみていかがでしょうか。

「わたしは右のパンチが得意なのですが、最初のコンタクトで右を出せたのはよかったと思います。マットに試合展開を持ち込み、柔術で締めくくることができたこともよかったと思います。KO勝ちをしたかったですが、バーバラ選手はわたしのパワーを感じたと思っています」

--久しぶりの日本、RIZINに帰ってきたということで会場の雰囲気を含めて、大会全体の感想をお聞かせいただけますか。

「わたしは子どもの頃からPRIDE(1997年から2007年まで日本で行われていた総合格闘技のイベント)を見て育った世代です。

当時子どもだったわたしは、自分はPRIDEの舞台に立つことは無理だろうなと思っていましたし、何度も諦めそうになりました。しかし今こうしてさいたまスーパーアリーナで戦えるということは、大きな夢を叶えたということになります。

(RIZINのリングには)何度も立っていますが、未だに鳥肌がたちます。それぐらい特別な場所なんです。やはりさいたまスーパーアリーナで戦う経験は、ファイターであれば誰もが夢見ることだと思います。

あの花道を、日本のファンの皆さんの声援を受けて歩くときの気持ち…これは、言葉にならない気持ちなんです。本当にファイターがスーパースターになれる場所なんです。

そして、日本のファンの皆さんはファイターをとてもリスペクトしてくれます。このことは残念ながら、現在では非常に稀なことなのです。

例えばマーシャルアーツが根底にあるファイターはリスペクトに非常に注意を払いますが、外国ではマーシャルアーツの根底に流れるリスペクトがだんだん失われてきつつあります。ですが日本に帰ってくると、リスペクトというのはこういうことなんだな、と再認識ますし、日本はそういう場所だと思っています。やはり日本で戦うのは夢で、日本で勝つということは最高です」

--今後の展望を教えてください。

「RIZINは日本でだけでなく、直接的、間接的にチャンスを与えてくれ、いろいろなドアを開けてくれました。わたしが今、一番待ち望んでいるのは女子のヘビー級のチャンピオンベルトです。そのための試合をセッティングしてくれることを望んでいます」

(文/Viviani Yoshimi、写真/©2015 RIZIN FF)