“伝説”のクラフト・カシャッサ「カシャーサ・ダ・キンタ」が日本に上陸
2019年 03月 4日
国際的なお酒のコンクールで注目を集めたクラフト・カシャッサの銘酒が、ついに日本上陸を果たした。
ブラジルの特産品であるサトウキビから造られる蒸留酒カシャッサ(カシャーサ)は、国民的なカクテルであるカイピリーニャのベースとしておなじみのお酒だ。
しかしそんなカシャッサの中でも、個人の酒造家がていねいに作った地酒であるクラフト・カシャッサ(現地ではカシャッサ・アルテザナウと呼ばれる)は、ワインやウイスキーのようにグラスに注ぎ、ストレートで、色や香りと共に味わうことのできるプレミアムなお酒だ。
今回、日本初上陸を果たしたのは、リオデジャネイロ州の北部、ミナスジェライス州との州境近くにあるカルモ市のファゼンダ・ダ・キンタで造られている「カシャーサ・ダ・キンタ」だ。
ブラジル産のクラフト・カシャッサは、スピリッツ(蒸留酒)の国際コンクールとして権威ある「ブリュッセル国際コンクール スピリッツ部門」で近年、ブランデー、ラム、ウォッカ、ジン、白酒などと並び、存在をアピールしているが、「カシャーサ・ダ・キンタ」は、同コンクールでカシャッサで初めてグランド・ゴールド・メダルを受賞した銘酒として知られている。
2月7日(木)、駐日ブラジル大使館にて「カシャーサ・ダ・キンタ発売記念プレ試飲会」が開催された。試飲会ではカシャッサ・カウンシル・ジャパン、日本カシャッサ協会の2団体が協力して、セミナーやテイスティングも行われた。
輸入元であるシモンセン株式会社のカシャッサ担当・鈴木裕史さんは、これまでにもさまざまなカシャッサを体験している。しかし「カシャーサ・ダ・キンタ」を初めて口にしたとき、カシャッサの常識が覆されたという。
「はじめて『カシャーサ・ダ・キンタ』を飲んだ時あまりの美味しさに驚いて、これは輸入をしなければと思いました。ストレートで口に含んだときの香り、味、なにからなにまでが初めての体験でした」(シモンセン株式会社 鈴木裕史さん)
この日、紹介されたのは「カシャーサ・ダ・キンタ」の「ブランカ」、「アンブラーナ」、「カルヴァーリョ」の3種類のラインナップだ。
蒸留した後にステンレス製のバレルで貯蔵された「ブランカ」は、繊細な香りとフルーティな後味を持った、カシャッサならではの風味が堪能できる。
「アンブラーナ」と「カルヴァーリョ」は、「ブランカ」を、それぞれアンブラーナ(ブラジル原産のマメ科の樹木)、カルヴァーリョ(オーク)の木の樽で熟成させたものだ。
「木の樽で熟成させることで、どちらも柔らかく繊細な口当たりが楽しめます。アンブラーナは、ほのかに木の香りとスパイスを感じさせるフルーティーな後味が、カルヴァーリョは、木と熟したフルーツを感じさせる後味が特徴です」(鈴木裕史さん)
「ブランカ」は「ブリュッセル国際コンクール スピリッツ部門」で2013年にグランド・ゴールド・メダルを受賞。「アンブラーナ」も同コンクールで2014年にゴールド・メダルを受賞している。
この日来場した約50名のバーテンダーなど飲食店関係者も、「カシャーサ・ダ・キンタ」を口にするや、驚きを口にしていた。
美味しさの理由は、このお酒が造られている農場の自然環境と、厳しい品質管理のもとで製造されている酒造りに対する姿勢にあると、鈴木さんはいう。
「リオデジャネイロ市から車で約9時間の、標高約200メートルの山地にある農場は、豊かな自然に囲まれています。近くにはきれいな水が流れる川と渓谷があり、サトウキビの搾汁も水車の動力で行っています」(鈴木さん)
カシャッサの普及団体カシャッサ・カウンシル・ジャパンの麻生雅人・主任研究員は、近年、ブラジル国内でもクラフト・カシャッサに関し、適切に管理された環境で造られている製品が付加価値を高めているという。
「ブラジル・カシャッサ研究所(IBRAC)によると、カシャッサの生産者は4万軒以上、銘柄は4000以上あるそうです。そのうち、国際品評会に出品されるような品質の高いカシャッサの作り手は、既存のカシャッサとの差別化を図って市場の拡大に努力しています。蒸留所の衛生面がきちんと管理されているか、サステナブルな製法で作られているか、といった点に留意する消費者も増えており、カシャッサの名産地では自治体が産地認証を取得する動きも広まりつつあります」(麻生雅人・主任研究員)
「『カシャーサ・ダ・キンタ』はサトウキビから自家農場で育てていますが、農薬や化学肥料を使わないエコロジー農法で栽培しています。製造過程の全てが、ブラジルの農牧供給省が定めた品質基準を順守しています」(鈴木さん)
日本初上陸を果たしたこのリオの銘酒は、3月5日(火)からはじまる「FOODEX JAPAN 2019(第44回国際食品・飲料展)」(https://www.jma.or.jp/foodex/)でも、ブラジルパビリオンで紹介される。
商品名:カシャーサ・ダ・キンタ ブランカ/アンブラーナ/カルヴァーリョ
内容量:500ml
アルコール度数:42%(ブランカ)、40%(アンブラーナ/カルヴァーリョ)
希望小売価格:4,200円(ブランカ)、4,500円(アンブラーナ/カルヴァーリョ)※いずれも税別
発売日:2019年2月15日
URL:http://www.cachacadaquinta.jp/
(文/加藤元庸、写真提供/シモンセン株式会社)