Natura(ナトゥーラ)がエイボンを買収

2019年 05月 29日

写真はサウヴァドールのショッピングセンター内にあるナトゥーラの店舗(写真: Ilana Bessler/Divulgação )

ブラジルの大手化粧品メーカーNatura(ナトゥーラ)は、エイボン・プロダクツを全額株式交換方式で買収して、ブラジルに新たな持株会社であるナトゥーラ・ホールディング株式会社が設立されることを5月24日(金)に発表した。

すでにナトゥーラはThe Body Shop(ザ・ボディショップ)、Aesop(イソップ)を傘下に収めているナトゥーラ・グループは、この買収により、販売などに携わるスタッフが630万人を超え、3200店舗を抱えることになり、世界第4位の美容専業グループとなったという。

2019年5月21日の終値に基づくと、買収によりエイボンの企業価値は37億米ドルで、合併後のグループの企業価値は約110億米ドルとなる。

従業員数は4万人以上となり、今後100カ国で活動すると見込まれているという。

ナトゥーラによると、買収により年間1億5000万米ドルから2億5000万米ドルのターゲットシナジーがもたらされると見込んでおり、その一部は、デジタルおよびソーシャル販売、研究開発、ブランドイニシアチブの一層の能力強化や、同グループの地理的フットプリントの拡大継続のために再投資されるとのこと。

ナトゥーラのロベルト・マルケス執行会長は、「2013年にAesopを、2017年にThe Body Shopをそれぞれ買収した後、グローバルでマルチブランド、マルチチャンネル、目的志向のグループを構築するため、もう1つのエキサイティングで決定的な一歩を踏み出した」と語った。

エイボンのヤン・ゼイデルフェルトCEOは、今回の買収は、エイボンの130年にわたる歴史におけるエキサイティングな新しい章の始まりだと語った。

「これは『Open Up Avon』への取り組みの証であり、われわれは当社の戦略を大幅に加速させ、さらにオンラインチャネルへ拡大することを可能にすると確信している。われわれは、ナトゥーラの支援を受けて最先端技術への投資を継続し、当社のデジタル能力とRepresentativeの生産性を向上させます」(ヤン・ゼイデルフェルトCEO)

エイボンのチャン・ガルバト非常勤会長は、Representative体験の強化、国際的拡大の加速、コスト構造の改善、財務の柔軟性向上、そして最終的にエイボンを長期的な成長と成功のための会社と位置付けることが重要だと述べた。

「エイボン取締役会は、ナトゥーラがエイボンブランドの強力なパートナーとなる一方で、従業員とRepresentativeに規模、オペレーション、機会の拡大を提供し、両方の株主には大きな可能性をもたらすと確信しています」(チャン・ガルバト非常勤会長)

取引完了とともに、ナトゥーラ・ホールディング株式会社の取締役会は13人の取締役で構成され、うち3人はエイボンが指名することになっているという。

今回の買収は、ナトゥーラとエイボンの両方の株主、ブラジル独占禁止当局およびその他の特定の管轄区域による承認などの通常の取引完了条件の審査完了を待って、2020年初めに完了する予定だという。

(文/麻生雅人)