【ONE】100回記念大会でビビアーノ・フェルナンデス選手が王者を証明

2019年 10月 22日

4度目の対決を果たした ビビアーノ・フェルナンデス選手とケビン・ベリンゴン選手 (写真提供/ONE championship )

10月13日(日)、両国国技館で、シンガポール発の格闘技イベント「ONE championship」の、2回目となる日本大会「ONE:CENTURY 世紀」が行われた。

ONEでは初めてアメリカ合衆国の大手TVネットワークでゴールデンタイムにライブ放送が決定したことと、第100回目のメモリアル大会ということもあり、「ONE:CENTURY 世紀」では1日の2部、昼と夜に興行が行われた。

パートIIのコーメインイベントに登場したONEバンタム級世界王者のブラジル人、ビビアーノ・フェルナンデス選手は元ONEバンタム級世界王者ケビン・ベリンゴン選手と四度目の対決に挑んだ。

前回の3月の両国大会ではベリンゴン選手の反則によりビビアーノ選手が王者になり、不本意な結果に終わってしまったため、四度目となるライバル同士の対決の行方は注目されていた。

1Rは静かに終わったが、2Rにベリンゴン選手のキックした足をビビアーノ選手が掴み、テイクダウンを成功させた。そこからリアネイキッドチョークを見事に決めて、ビビアーノ選手が一本勝ちをおさめた。

ビビアーノ選手の試合のあとは、青木真也VSホノリオ・バナリオ 、アウンラ・ンサ VSブラントン・ベラの各選手の試合が続き、会場は大歓声に包まれた。

青木真也選手とホノリオ・バナリオ選手 (写真提供/ONE championship )

青木真也選手とホノリオ・バナリオ選手の試合は、青木選手があっという間にダースチョークで一本勝ちをおさめ「とにかくいいものをつくるため、クリエイティブなライバルたちに勝つために必死に生きていきます」とケージ上で話した。

日本が舞台なので当然、青木選手を応援する声も大きかったが、メインイベントのミャンマーの英雄ンサンとフィリピンをベースにしているベラの試合は格別だった。ミャンマーの応援団の大歓声とファリピンの応援団の大歓声とが会場に響き渡り、音の圧力が肌で感じられた。日本で行われている試合というのを忘れてしまいそうなほどだった。

そのアウンラ・ンサン選手とブラントン・ベラ選手の試合は、ンサン選手が2Rパウンド連打でTKO勝ちをおさめ、記念すべき100回目の大会を締めくくった。

アウンラ・ンサン選手とブラントン・ベラ選手 (写真提供/ONE championship )

修斗選手とパンクラスの対抗戦も、選手の気持ちが伝わる素晴らしい試合ばかりだった。

イベント後にONE Championship のチャトリ・シットヨートンCEO兼会長、パンクラスの酒井正和代表、修斗の坂本一弘代表、勝利した王者と日本人選手のインタビューが行われた。

「台風で被害に遭われた方もいらっしゃり、そんな中スポーツを通して勇気を与えられる、人に感動を与えられることが今後の糧になることでしょう。現役王者は対抗戦で試合をしたことで、勇気や元気を世の中に伝えられたのでは? という試合をしてくれたと思います。みなさんがどう感じたか逆にわたしが質問したいくらい、いい試合をしたと思います」(酒井代表)

「今日のイベントは、13時間以上にわたる歴史に残るMMAイベントになりました。今朝4時の時点でゼネレーターが横浜にありました。台風のため開催も危ぶまれましたが、我々の素晴らしいチームにより無事開催でき、ホッとしていますし、満たられた気分です」(チャトリCEO兼会長)

「何年かしてこの100回目のイベントを振り返るかもしれないですが、その頃にはもっと大きなことをやっていると思います」(同)

「修斗とパンクラスの対抗戦についてですが、選手たちは勇気とリスクを持って戦ってくれたと思います。我々は日本のMMA業界に投資していますが、本当に重要なことは投資することで業界のみなさん、観客のみなさんに希望を持ってもらうことです。希望というものは、それだけでパワフルなものです」(同)

(文/Viviane Yoshimi)