ブラジル、バイーア州のカカオの輸出額・輸出量がともに大幅な伸び

2025年 01月 23日
リオデジャネイロ市の市場に並ぶカカオの実(写真/Vinicius Fadel)

ブラジルの主なカカオ生産・加工産地のひとつであるバイーア州は、輸出額と輸出量の両方で大幅な増加を記録したと、ブラジル・アグリビジネス・システム(SBA)のメディア「カナウ・ド・ボイ」(1月22日付)が伝えた。

2024年の同州のカカオ輸出額は4億3,400万ドルに達し、2023年に記録された1億9,800万ドルと比較して119%の増加となった。

農牧供給省(MAPA)の統計によると、2023年に4万5,400トンだった輸出量も、2024年には4万6,000トンに増加し、1.3%増加を見せた。

SBAによると、2024年、カカオ豆の価格は記録的な水準に達し、前年比で最大150%上昇しており、同州のカカオ輸出額の増加は、何よりも、国際市場におけるこうしたカカオ価格上昇によって引き起こされているという。

また同紙は、このシナリオは、世界的な需要の増大や、コートジボワールをはじめとする大規模生産国における気候や植物検疫の問題による供給の減少など、さまざまな要因が組み合わさった結果だと指摘している。2024年を通じてカカオ価格の推移は歴史的な高値を記録しており、4月には1トン当たり12,261ドルを記録したとのこと。

結果的にこの動向はバイーア州の輸出収入の増加に決定的な影響を与えており、同州のカカオ分野におけるリーダーとしての地位をさらに強化した。

(文/麻生雅人)

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