世界最大級のLGBT+プライドパレード、サンパウロで6月22日に開催へ

2025年 06月 4日

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6月3日、サンパウロ市。サンパウロLGBT+プライドパレードのローンチイベントで報道関係者、インフルエンサーに新たな取り組みを紹介する代表者(写真/Cadu Pinotti/Agência Brasil)

第29回サンパウロLGBT+プライドパレードは、6月22日にパウリスタ通りで開催される。

本年のテーマは「高齢化するLGBT+:記憶、抵抗、そして未来」。プログラムは、今週火曜日(6月3日)、サンパウロ市中心部で行われたイベントで正式に発表された。NGO団体サンパウロLGBTプライドパレード協会(APOLGBT-SP)が主催するこのイベントは、午前10時にサンパウロ美術館(MASP)前に集合してスタートする。

今年のテーマの目的は、コミュニティ内の60歳以上の人々を称え、尊厳と受容を求める戦いをより強化していき、LGBT+の高齢者が、彼らを歓迎する生活ケア住宅、サポートネットワーク、公共サービスにアクセスできるような社会の必要性を訴えることにある。

パレード前の週には、第6回ブラジルパレード組織会議(6月16日〜18日)、第24回LGBT+多様性文化フェア(6月19日)、第5回LGBT+プライドマラソン(6月21日)などの関連イベントが開催される。さらに、22日にはDiaTVと提携してYouTubeでParadaSPのライブ放送を行うなど、今年のテーマを周知させるためにパートナー機関と共催するイベントも開催される予定。

「LGBT+プライド(の行事)を祝うことは、私たちより前に道を切り開いてきた人々を称えることも意味します。高齢化は一つの成果ですが、多くのLGBT+の人々にとって、それは依然として見捨てられ、沈黙させられ、そして公共政策の不足によって特徴づけられている課題です。2025年、サンパウロLGBT+プライドパレードは、抵抗し、築き上げ、そして勇気の模範であり続ける人々のために声を上げます。尊厳ある高齢化のために闘うことは、誰一人取り残されないよう闘うことを意味します」とネウソン・マチアス・ペレイラ・APOLGBT-SP会長は述べた。

ブラジル地理統計院(IBGE)の概算によると、2025年にはブラジルにける60歳以上の人口は3100万人を超えると予想されています。国連総会は2020年代を「健康的な高齢化の10年」とする決議案を採決したが、実際には、高齢のLGBT+の人々は依然として排除され、見捨てられ、無視されており、尊厳を保ち、安全で、敬意を払われた老後を保証する公共政策の欠如に直面している。

ネウソン会長は今年のテーマの重要性を強調し、ブラジルの高齢化の困難について想起し、LGBT+コミュニティに関しては、高齢化が依然として社会のタブーとされ、不快な固定観念やレッテルが貼られ、この人々の存在が消され、見捨てられ、あらゆる種類の暴力に対してより脆弱になっているため、負担はさらに大きいと説明した。

「私たちは肉体を崇拝する社会に生きています。そして、老化した肉体、特にLGBTの肉体は、蔑称で嘲笑されます。59歳になった今でも、マリコナ(高齢者のゲイ)といった言葉が聞こえてきます。しかし私は、マリコナではなく、ただ年を重ねただけの肉体に過ぎません。誰もが年を取り、敬意を払われるべきです。私たちが街頭に立つのは、まさにこうした抹消に反対するためです」とネルソン氏は述べた。

このテーマは、「私たちが望むパレード:フォーラム」を通じた意見公募を経て選らばれた。フォーラムには、LGBT+ の人々の人権問題に取り組む機関や活動家がオンラインで参加し、対面およびバーチャル会議で 300 人以上が集結した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)