大阪・関西万博にブラジル北東部の郷土料理「ムケッカ・バイアーナ」のおにぎりが登場

2025年 06月 12日

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「世界のおにぎり」プロジェクトのおにぎりを考案している大阪芸術大学デザイン学科のみなさん(画像提供/大阪芸術大学)

大阪芸術大学デザイン学科の共創プロジェクトから生まれた企画「世界のおにぎり」。

学生が考案した世界各国のおにぎりを、ニコニコのり株式会社の協力のもと、大阪・関西万博ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」内にある、象印マホービンのおにぎり専門店「ONIGIRI WOW!」にて販売している。

本プロジェクトは、日本のおにぎりに世界各国の料理や食材を組み合わせた新しいおにぎりを通して、世界の国々や多様な食文化への理解を深めるきっかけを提供するというコンセプトで取り組みが進められている。

大阪芸術大学で生まれた「世界のおにぎり」は、3年以上をかけて学生が作り上げた世界各国の料理・食材の特徴を生かしたおにぎりのレシピをもとに、万博期間中に販売されるメニューも合わせ27か国41を製品化・販売してている。

2025年4月13日(日)から10月13日(月・祝)まで開催される大阪・関西万博において、会期中、約1ヵ月毎で4種類ずつ、計24種類のおにぎりがそれぞれ期間限定で販売される予定。

今後は、世界のおにぎりを使った食のワークショップの実施や、ナショナルデーにあわせた国際交流の場でのおにぎりの提供も視野に、さらに活動の幅を広げていくという。

この「世界のおにぎり」で、6月11日(水)~7月15日(火)に販売されるのが、モザンビーク・ブラジル・カンボジア・中国の、各国の具材を使ったおにぎり。

おにぎりとのコラボ具材に選ばれたブラジル料理が、ブラジル北東部の郷土料理「ムケッカ・バイアーナ」だ。

ムケッカ」とは、先住民、ポルトガル、アフリカの文化が融合して生まれたブラジルの魚介煮込み料理で、地域によってレシピも使う材料も異なる。中でも、北東部バイーア州につたわる「ムケッカ・バイアーナ」と、南東部エスピリットサント州に伝わる「ムケッカ・カピシャーバ」が有名だ。

今回、万博会場で披露されるのは「ムケッカ・バイアーナ」のおにぎり。「ムケッカ」の中でも、この地方独特の食材が使われることで知られている。魚介や野菜を、デンデ油、ココナッツミルクと共に煮込んで作られる。唐辛子とパクチーも欠かせないレシピだ。

ApexBrasil(ブラジル貿易投資振興庁)のルカス・デスコンズィー万博・特別プロジェクト担当コーディネーターは、「このイニシアティヴにはとても驚きました。ムケッカはアレンジするのが難しいと思いますので、ブラジルと日本の味覚の組み合わせを味わうのがとても楽しみです」とコメントしている。

「世界のおにぎり」プロジェクトにかかわる大阪芸術大学の辻邦浩客員教授は「ブラジルの伝統料理である『ムケッカ』を具材としたおにぎりは2023年に開発いたしました。日本ではあまり知られていない『ムケッカ』は世界を代表する魚介料理であり、その美味しさを大阪・関西万博で世界に広めたいとの思いを込めて試作を行わせていただきました。今回は魚介の風味をより味わっていただくためにエビを使用して、トマト、ココナッツミルク、パプリカなどの主要食材とのバランスを調整しながら本場の味を再現し、おにぎりの具材として成立させ最終的にご飯との相性も調整して完成させました。ブラジルの多様な食文化を『ムケッカおにぎり』を食していただくことで体験していただければ嬉しく思います」とコメントしている。

ムケッカ・バイアーナを具材にした「ムケッカおにぎり」は6月11日から7月15日まで、象印のおにぎり専門店「ONIGIRI WOW!」(万博内西ゲートゾーン、ORA外食パビリオン『宴~UTAGE~』)にて販売される。

(文/麻生雅人)