【大阪・関西万博】ブラジル・ナショナルデーでゼカ・パゴジーニョが小野リサ、バランサと共演

2025年 06月 23日

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6月21日(土)、大阪・関西万博「EXPOアリーナ Matsuri」。ゼカ・パゴジーニョと共演するバランサ(撮影/麻生雅人)

一般入場者数が15万3000人と発表された、6月21日の大阪・関西万博。

この日はブラジルのナショナルデーが開催され、「EXPOアリーナ Matsuri」ではブラジルのサンバの大御所歌手ゼカ・パゴジーニョのコンサートが行われた。

ブラジルの国民的音楽サンバには、カーニバルで演奏されるような打楽器隊が演奏するサンバもあれば、少人数の演奏者によるジャムセッションのようなサンバまで様々なスタイルがあるが、ポップス・歌謡系のサンバのトップスターに君臨するのが、ゼカ・パゴジーニョだ。

40年以上のキャリアを誇るゼカのステージは、ヒット曲のオンパレードで、アリーナの観衆を盛り上げた。

オープニングを飾ったのは、「カマラォン・キ・ドルミ・ア・オンジ・レヴァ」。1984年にゼカがサンバ歌手ベッチ・カルヴァーリョに提供した曲で(ゼカ、アルリンド・クルース、ベト・セン・ブラッソの共作)、ベッチのこのレコードで、レコードデビュー前のゼカ自身もフィーチュアされた。

この年、TVグローボの人気バラエティー・ニュース番組「ファンタスチコ!」でも、ベッチと共にゼカも出演してこの歌を歌っている。ゼカにとっても、長いキャリアの中でも想いで深い曲だ。

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6月21日(土)、大阪・関西万博「EXPOアリーナ Matsuri」に出演したゼカ・パゴジーニョ(撮影/麻生雅人)

演奏されたのは、本国で行われた40周年記念ライブで披露された「ピザ・コモ・エウ・ピゼイ」、「セール・ウマーノ」、「クアンド・ア・ジラ・ジロウ」、「マイス・フェリース」、「ミーニャ・フェ」、「パトゥッタ・ジ・コズミ」、「オグン」、「サウダージ・ロウカ」、「サンバ・プラ・モッサス」をはじめとする、数々の代表曲。

途中、この日、他の会場でコンサートを行った小野リサもステージに登場して、ゼカとのデュエットを披露した。

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6月21日(土)、大阪・関西万博「EXPOアリーナ Matsuri」。ゼカ・パゴジーニョと共演する小野リサ(撮影/麻生雅人)

ゼカが1986年に発表したデビュー・アルバム「ゼカ・パゴジーニョ」に収録されていた、サンバの名作曲家モナルコの代表曲「コラサォン・エン・デザリーニョ」では、なんとステージに、日本のサンバ界を代表してバランサのDENとCOKKYが登場。ゼカとバランサの共演が実現した。

1991年に結成されたバランサは、日本を代表する本格サンバ・グループ。ヴォーカルとカヴァキーニョ(サンバの弦楽器)を演奏するDENは、ブラジルの現地ミュージシャンとの交流も深く、2003年には、「サンバ界の代表的な30人のカヴァキーニョ奏者」の一人に、外国人として唯一選出された。浅草サンバカーニバルの公式テーマソング「Sonho de Verão ~歌にのせて」の作曲者としても知られ、同カーニバルでは12年間審査員も務めている。

ステージ近くには、日本在住のブラジル人の聴衆をはじめゼカのファンが集い、共に歌いながら演奏を楽しんでいたが、キャッチーなメロディを持つ軽快なゼカの曲は、はじめて聴く日本人の観客にも響いていた様子だった。終演後も「EXPOアリーナ Matsuri」の芝の上には、しばらくハッピーな空気が漂い続けていた。