COP30議長、開催地の変更を否定
2025年 08月 3日
第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)の議長であるアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使は、11月10日から21日にかけて開催される同会議が、パラー州の州都ベレンで行われることを再確認した。大使は、特に経済的に恵まれない地域を含むすべての国がこの会議に参加できるよう、ブラジル政府が取り組んでいると述べた。
この発言は、COP30開催まであと100日となるタイミングに合わせて、8月2日に行われた記者会見の中で行われた。
「COP30はベレン市で開催され、各国首脳会議もベレン市で行われる予定です。代替案は一切ありません。先日、緊急会合が開かれ、参加国の代表者らがベレン市における宿泊費の高さに対して非常に強い懸念を示しました。これらの価格は、過去のどのCOP開催時の値上げ幅をも大きく上回っています」と、大使は語った。
7月29日、一部の国の要請により国連との緊急会合が開かれ、ベレン市(パラー州)におけるホテル料金の高騰について協議が行われた。会合では、開催地の変更の可能性について言及する代表者もいた。
苦情は、国連が「後発開発途上国」や「小島嶼開発途上国」と分類する国々、そしてアフリカ地域の代表団から寄せられた。また、経済的に豊かな国々からも同様の声が上がり、これらの国々は代表団の規模の縮小を検討することを示唆した。
アフリカ交渉グループのリチャード・ムユンギ議長はロイター通信の取材に対し、「アフリカ諸国は現地参加に伴う費用を理由に参加規模を縮小することを望んでいない」と述べた。
「私たちは、参加者数を減らす準備は行っていません。ブラジルには、より良いCOP、充実したCOPを実現するための選択肢が多くあります。だからこそ、代表団の規模を制限するよう求めるのではなく、ブラジル側がより良い対応策を提示するよう、私たちは働きかけているのです」とムユンギ氏は述べた。
コへーア・ド・ラーゴ大使はインタビューの中で、政府は宿泊料金を100米ドルから600米ドルの範囲で提供できるよう取り組んでおり、特に途上国の代表団を優先する方針であると述べた。
また、大使は、滞在費用に困難を抱えるこれらの国々の代表団に対し、国連が1日あたり143ドルから149ドル程度の支援金(手当)を提供しているものの、COP期間中に代表者が滞在を継続するには不十分であると述べた。
「これらの国々は会議で非常に明確に意見を表明しました。彼らは、支給される約143ドルの手当では、50〜70ドルの価格帯の部屋でなければ(滞在は)不可能だと述べました。現時点でのベレンの宿泊価格を見れば、その価格帯の部屋は何百もあります。しかし、COP開催期間中は価格が急騰するのです」と大使は述べた。
「ブラジルは開発途上国であるため、包摂的なCOPを目指す以上、これらの国々がベレンに参加できる方法を見つけなければなりません。彼らはまた、最も経済的に厳しい国々が不在のCOPは、普遍性を欠き、正当性を失うことになると述べています。政府は、彼らが支払える範囲の宿泊施設を提供できるよう働きかけています」と大使は付け加えた。
宿泊の確保
本日午前に発表された声明によると、COP30臨時事務局は、各国代表団向けに2,500室の宿泊施設を確保したと発表した。対象となる分類に該当する73か国の各代表団には、15室の個室が割り当てられており、宿泊料金は1泊あたり100米ドル(約554レアル)から200米ドル(約1,109レアル)の範囲となっている。
その他の国々の代表団向けには、1団体につき個室10室が確保されており、宿泊料金は1泊あたり220米ドル(約1,220レアル)から600米ドル(約3,327レアル)の範囲となっている。
「大統領府官房庁には、宿泊の問題を監視・対応しているチームがあります。このチームは解決策を模索しており、すでに国連加盟国すべてがCOPに参加できるようにするための第一の提案を行いました。政府は、すべての国がこの会議に参加できるよう、非常に強い姿勢で取り組んでいます」と述べた。
COP30には約4万5千人の参加が見込まれており、会議の運営側は、ベレン市に常時1万8千床あるホテルの宿泊設備を拡充する必要がある。
政府はすでに、COP30の期間中に2隻のクルーズ船を臨時のホテルとして使用する方針を発表している。これらの船には約3,900室の客室があり、地球最大規模の気候関連イベントの会議期間中には最大6,000床の宿泊設備を提供できる見込みとなっている。
さらにベレン市には、グローバル企業グループによって建設される高級ホテルが3軒新設される予定であり、また、AirbnbやBookingなどのオンラインプラットフォームと連携し、宿泊施設の登録を進めることで、利用可能な部屋数の増加を図っている。
COP30の開催に向けた一連の対応策についての対話を継続するための次回の会合は8月11日に予定されており、宿泊、交通、安全対策、そして食事の提供などが議題となる。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)