フラメンゴ公園で、多様性と「ハラスメントのない」カーニバル
2026年 02月 16日

カーニバルに沸く日曜日(2月15日)、リオデジャネイロのアテーホ・ド・フラメンゴ(グアナバラ湾沿いの埋め立て地公園)には、ブロッコ「ジヴィーナス・トレッタス(注:「神がかった大騒ぎ」のニュアンス)」の祭りに参加しようと、早朝から数千人が集まった。同ブロッコは行進は行わず、公園でパフォーマンスを繰り広げた。
ジヴィーナス・トレッタスは、この晴れ渡った暑い一日にカリオカたちを楽しませる55組のブロッコの一つだ。前身は2007年に誕生したリオ初のLGBTQIA+ブロッコ「トッコ・ショナ(Toco-Xona。注:レズビアン文化の遊び心をスラングで表現したネーミング)」で、パンデミック後の2022年に現在の名称へと改名された。
ライブ演奏とインターバルの音楽プログラムは、サンバに加え、アシェーやピゼイロといった北東部発のダンス系ポップス、さらにロックの要素を少し加え、ブラジルの多様なリズムを網羅しようとする構成になっている。
「みんなを盛り上げる曲ばかりです」と語るのは、タンボリンとマイクを手にブロッコのバンドで歌うシンガーでマルチ奏者のカロル・ゴメス。
「国際的なディーヴァの曲も、ブラジルのディーヴァの曲も演奏します。私たち自身の“衣装”をまとってね」と話すのは、ジヴィーナス・トレッタスのエグゼクティブ・プロデューサー、タイーサ・ジンだ。
<受け入れられ、抱きしめられる場所>
「路上で演奏するということは、人々が“受け入れられ、抱きしめられている”と感じられるような大衆音楽を奏でることです」
バンドが準備したり休憩する間、観客を盛り上げる役割を担うDJのライース・コンチは、そう説明する。
ライースの“レシピ”は、自身が選曲する時間を「民主的で熱気のあるセット」にすることだという。DJとバンドが奏でるサウンドトラックは、ジヴィーナス・トレッタスの空間を、誰もが楽しめるカーニバルにふさわしい、心地よく多様性に満ちた場へとつくり上げている。
「このブロッコでは、私はヘテロの女性としても、ゲイの人としても、あるいは“規範から外れた存在”としても、心から安心していられます。自分のカーニバルの自由を存分に発揮できる場所なんです。着たい服を着られるし、それが露出が多くても少なくてもいい。踊りたいように踊れて、好きな音楽を聴ける」と語るのは、看護師のレチシア・ジ・アウメイダ・ロペスさん(26)。
レチシアさんによると、人々がこのブロッコに来るのは「幸せになるため」であり、「誰かを裁くためではない」。ジヴィーナス・トレッタスの雰囲気は「安心感をもたらす」と感じているという。
販売員のタイーサ・ガウヴァォンさん(28)も、その見解に同意する。
「とても居心地がいいんです。友達と一緒にリラックスできるし、ケンカなんて一つもない。みんな仲良く過ごしています。だから私はいつもここに来るんです」(タイーサ・ガウヴァォンさん)
オペレーション・アナリストのジェニファー・ジ・オリヴェイラさん(28)は「ここは“受け入れられている”と感じられるブロッコです。男性からのハラスメントがない。それが本当に解放的なんです」と付け加えた。
<マリエリ・フランコ殺害事件の裁判>
ブロッコ「ジヴィーナス・トレッタス」は、集まった観客の前で、カーニバル後の24日と25日に予定されている裁判の行方を見守るよう訴えた。裁判では、リオ市議マリエリ・フランコと運転手アンデルソン・ゴメスを殺害したとされる実行犯、指示役、協力者、共犯者らが最高裁判所(STF)で審理される。ステージ上のマイクによる呼びかけに加え、裁判日程を記した扇子も配布された。
最高裁が審理するのは、リオ州会計検査院(TCE-RJ)評議員のドミンゴス・ブラザォン、同氏の兄で元連邦下院議員のシキーニョ・ブラザォン、リオ州警察の元警察長官リヴァウド・バルボーザ、軍警察少佐ホナウド・アウヴィス・ジ・パウラ、そしてドミンゴスの側近で元軍警察官のホブソン・カリシュトの各被告だ。
いずれも、2018年3月に起きた殺害事件への関与が疑われ、予防拘禁されている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




