海がないのに「ビーチシーズン」があるトカンチンス州(ブラジル)の観光地とは
2026年 02月 23日

(画像提供/Sectur/Governo do Tocantins)
発表時から翌年に向けて、旅行先として最も有望で、需要が高まると予想されるブラジルの観光地をランキング形式でまとめた「観光可視性指数(IVT)」の2026年版が発表された。
「2026年にブラジルで訪れるべき50の旅行先」ランキングに入った観光地を要する全国の各自治体が、さっそく地元の観光地をアピールしている。ランキングはプラットフォーム「Brasil em Mapas」が、観光流動、アクセス性、国際的な認知度、旅行者の評価などを分析したうえで作成、公表している。
ブラジル北部トカンチンス州からは、パウマスとジャラパォンが選ばれた。同州政府は
「トカンチンス州がリストに名を連ねたことは、州内観光の成長を示すとともに、自然の美しさ、地域文化、そして訪問者に提供される体験が高く評価された結果」と広報している。
ヴァンデルレイ・バルボーザ州知事は、今回の選出は州政府が進めてきた観光振興策、インフラ整備、そして持続可能な観光の強化といった取り組みの成果だと強調している。
「この評価は、私たちの取り組みが着実に成果を上げている証しです。自然の魅力を生かし、地元の起業家を支援し、雇用と所得、そして州の発展につながる観光産業の基盤を整えてきた結果です」(バルボーザ州知事)
調査では、ブラジル国内でエコツーリズムの価値が高まり続けていることが示された。トカンチンス州のジャラパォンは、レンソイス・マラニェンセスやフェルナンド・ジ・ノローニャといった既に確立された観光地と並び、自然と冒険を求める旅行先として存在感を強めているという。
同州によると、トカンチンス自然研究所(Naturatins)が管理するジャラパォン州立公園(PEJ) は、2025年に訪問者数が大きく増加したという。年間5万302人が訪れ、2024年の4万3,131人と比べて16.63%の増加 を記録した。
一方、ジャラパォンへの玄関口であり、計画都市として整備された州都パウマスは、滝、川のビーチ、トレイル、郷土料理、イベント、文化体験を兼ね備えた“総合的な観光地”として注目度を高めている。
また州政府は、今回の評価が、州内の他の観光拠点の知名度向上にもつながると期待している。
豊かな生物多様性と自然観光で知られるカンタォン州立公園、冒険観光と手つかずの景観で存在感を増すセーハス・ジェライス、さらに文化・ガストロノミー・コミュニティベースの観光ルートなど、多様な体験を提供する地域が勢いを増し、訪問者への選択肢を広げている。

<注目度高まる「淡水ビーチ」>
トカンチンス州政府は、パウマスとジャラパォンがランキングに選ばれた背景に、州政府が進める包括的な取り組みがあることも強調している。観光局(Setur)と広報局(Secom)は互いに連携し合い、国内外に向けて州内の観光地を戦略的に発信してきたという。
広報活動は、トカンチンス州の「ビーチシーズン」や各地の観光資源の認知度向上に寄与しており、訪問者数の増加と、競争力ある観光地としての州のイメージ向上に直接結びついているという。
北部、北東部、中西部に囲まれた内陸にあるトカンチンス州は海に面してはいない。州の観光業の重要なイベントである「ビーチシーズン」とは、トカンチンス川、アラグアイア川などの河川やダムによる広域な淡水域を誇る同州ならではの、淡水ビーチのキャンペーンだ。
2025年のビーチシーズンには、インフラ整備、安全対策、清掃、文化プログラムなどに対し、州政府は47の市町村を対象に約3,000万レアルを投じた。この投資は顕著な成果を示し、州内40か所以上の河川ビーチに150万人超が訪れ、経済効果は約10億レアルに達したという。前年から27%増の伸びとなった。
これらの数字は、観光が州経済にもたらす影響の大きさを示すとともに、広報とプロモーション戦略が経済発展と観光産業の強化に果たす役割の重要性を裏付けていると、州政府は指摘する。
「Descubra o Tocantins(トカンチンスを発見しよう)」ブランドをはじめとする取り組みは、州内の観光地の発信力を高め、地域のアイデンティティを際立たせることで、トカンチンス州を国内主要観光ルートの一角へと押し上げている。
「トカンチンスが全国の観光分野でますます存在感を高めていることは、大きな誇りです。この評価は、これまでの取り組みが確かな成果を生みつつあり、私たちの州にはまだ大きな可能性が眠っていることを示しています」(州観光局(Setur)アナ・マリア・モンテイロ局長)
(文/麻生雅人)



