サンパウロ州保健局、エボラ警戒を強化
2026年 05月 22日
サンパウロ州保健局は5月21日、州内の医療機関に対し、エボラ出血熱の疑い例に関する識別、通報、隔離、診療の手順について改めて注意喚起を行い、警戒態勢を強化した。
世界保健機関(WHO)によると、エボラ出血熱はアフリカのコンゴ民主共和国(写真)とウガンダで発生しており、これまでに疑い例が約600件、死亡疑い例が139件報告されている。
州保健局は、ブラジル国内への流入リスクが低い理由として、南米大陸でのウイルスの地域感染が確認されていないこと、アフリカの影響地域と南米を結ぶ直行便が存在しないこと、感染者の血液や体液との直接接触によってのみ感染が起きることを挙げている。
リスクは低いものの、同局は医療機関に対し、過去21日以内にウイルス流行地域を訪れ、発熱を伴う患者を速やかに評価するよう指示した。
「サンパウロ州は予防的に行動し、迅速かつ安全に対応できる体制を維持しています。国際線の流入が多い州として、明確なプロトコル、積極的な監視体制、訓練されたチーム、そして疑い例の識別・通報・診療に対応する基幹施設を備えています」(サンパウロ州疾病対策調整局のへジアーニ・ジ・パウラ局長)
公式には、コンゴ民主共和国北部の2州で51件の感染が確認されているが、WHOは「実際の感染規模は公表値を大きく上回る可能性がある」としている。
エボラ出血熱は突然発症することが多く、高熱、激しい頭痛、筋肉痛、倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などが現れ、重症化すると出血症状、ショック、多臓器不全に至ることもあるという。潜伏期間(感染から発症まで)は2〜21日とされる。
サンパウロ州では、疑い例が発生した場合、直ちに市の疫学監視部門および州疫学監視センターへ通報する必要がある。患者の搬送は、救急・緊急対応救助グループ(GRAU)が担当する。
州都サンパウロ市にあるエミリオ・リバス感染症研究所が、疑い例・確定例の州基幹医療機関となっている。
現時点で、今回の流行株であるブンディブギョ株(Bundibugyo)に対して承認されたワクチンや特異的治療法は存在しないとされている。既存のワクチンや治療薬はザイール株を対象に開発されたもので、今回の変異株に対する有効性は確認されていない。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




