奴隷制時代を生きた黒人女性を描いた映画『シッカ・ダ・シウヴァ』、4K修復版公開

2026年 08月 26日

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カカー・ジエギス監督の1976年作『シッカ・ダ・シウヴァ(Xica da Silva)』(画像提供:Vitrine Filmes)

ブラジル映画史上最大級のヒット作のひとつであるカカー・ジエギス監督の『シッカ・ダ・シウヴァ(Xica da Silva)』(1976)は、初公開から50年を経て、4Kで修復された新バージョンとして劇場に戻ってくる。

この長編は、18世紀ミナスジェライス州ヂアマンティーナ地区で奴隷として生まれ、解放後に社会的地位を築いた黒人女性シッカ・ダ・シウヴァを題材に、歴史的キャラクターの表象を大胆に再構築した作品として知られる。

公開当時、観客動員で大きな成功を収めただけでなく、国内の主要映画賞を受賞し、国際舞台でもブラジルを代表する作品となった。主演のゼゼー・モッタは、この作品を通じてブラジル映像界を象徴する存在として地位を確立した。

修復版の上映は、ブラジル映画の記憶を保存し、古典的名作を新しい世代に届けることを目的としている。今回の再公開は、ブラジルの重要な映像作品を再び流通させることを目指す「Sessão Vitrine Petrobras」プロジェクトの一環だ。

新しい4K版は、7月14日(月)夜、リオデジャネイロのサラ・ジョゼー・ヴィウケルで行われたプレミア上映で初披露された。会場では、昨年亡くなったカカー・ジエギス監督への敬意を込めた場面も見られた。

上映には、主演のゼゼー・モッタ、監督の妻へナータ・マガリャインス、配給会社ヴィトリー二・フィウミスの関係者、サンバ団体アカデミコス・ド・サウゲイロのメンバー、そして修復作業を統括した研究者デボラ・ブトルーシが参加した。

<310万人の観客を動員した古典が新世代へ>

今回の再公開は、単なる50周年記念ではなく、1970年代に310万人以上を動員したブラジル映画史の重要作を新しい観客層に届ける試みでもある。

デジタル修復を統括したデボラ・ブトルーシは、今回の作業が作品本来の質を取り戻すことを目指したと説明する。

「『シッカ・ダ・シウヴァ(Xica da Silva)』を再び劇場で上映するというアイデアが生まれ、同時に4Kでのデジタル修復を行うことになりました。作品が可能な限り美しい状態で戻り、その潜在的な力を新しい世代に伝えられるようにするためです」

彼女によれば、修復とは作品を“改善”することではなく、時間の経過や保存状態の悪化によって失われたものを取り戻す作業だという。

「修復は作品を良くすることではありません。時間や保存環境によって損なわれたものを回復し、当時すでに存在していた美的潜在力を取り戻すことなのです」

デボラは、修復された古典作品が劇場に戻ることはブラジルの映像文化の記憶を守るうえで重要だと強調する。

「修復版は時間による損傷を軽減し、“ブラジル映画は貧相だ”という誤ったイメージを払拭します。これらの修復は、50年前に上映されたそのままの姿を観客に見せることができるのです」

<映画とカーニバルをつなぐ縁>

式典では、作品とリオのカーニバルを結びつける興味深い逸話も紹介された。映画が誕生する以前、カカー・ジエギスは1963年のアカデミコス・ド・サウゲイロのパレードで、歴史上の人物シッカ・ダ・シウヴァをテーマにした演目に触れ、映画化を思いついたという。

そして2027年、サウゲイロは再びシッカ・ダ・シウヴァをテーマとして扱った行進を行うという偶然が、このエピソードに新たな意味を持たせることとなった。

「映画は1963年のサウゲイロのパレードにインスピレーションを得ています。カカーはそのパレードを見て映画化を望み、それを1976年に実現しました。そして美しい偶然として、サウゲイロは再びシッカ・ダ・シウバをテーマにします。映画の再公開とサウゲイロのテーマが重なり、すべてがつながったのです」とデボラは語った。

<ゼゼー・モッタ、観客から大喝采>

サンバ団体の代表者らは、プレミア上映の場でゼゼー・モッタを称え、彼女が演じたキャラクターがいまも同団体の歴史における象徴的存在であり続けていることを強調した。

観客から大きな喝采を受けたゼゼー・モッタは、50年前に自身の芸術的キャリアを決定づけた役を演じたことへの温かい反応に感謝を述べた。

「胸がいっぱいです。来てくださった皆さんに心から感謝します。50年経っても、こうして多くの人がこの映画に関心を持ち続けてくれていることが本当に嬉しいです」と、ゼゼー・モッタはプレミア上映で語った。

<へナータ・アウメイダ・マガリャインスの回想>

ブラジルの映像分野で40年以上活動し、ブラジル映画芸術アカデミー初の女性会長を務めたプロデューサーであり、カカー・ジエギス監督の妻でもあったへナータ・アウメイダ・マガリャインスは、初めてこの映画を観たときの記憶を振り返った。彼女は当時まだ15歳の少女だったという。

「15歳のときに初めて『シッカ・ダ・シウヴァ(Xica da Silva)』を観ました。完全に魅了されて劇場を出たのを覚えています。スクリーンの上に広がるブラジルそのものの“カーニバル”でした。その5年後、私はカカーと結婚し、幸運にも彼と43年間を共に過ごしました」と語った。

彼女は、カカー・ジエギスがこの作品を自身のキャリアの「エスコーラ・ジ・サンバの映画」と呼んでいたことを紹介し、作品がいまもなお鮮烈な力を持ち続けていると強調した。

「この映画は今でも色褪せない大傑作です。ブラジルについて語り、国の複雑さを映し出す、まったく現在的な作品です。観客と対話し続けています。『シッカ・ダ・シウヴァ(Xica da Silva)』はカカーのキャリアにおける成功のバロメーターでした。人気作であり、彼はそれを心から喜んでいました」と述べた。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)