奴隷貿易の記憶を視覚的に突きつけるアート展、サンパウロで展示始まる
2026年 09月 24日
【サンパウロ 9月22日 18:16】 アフリカ奴隷を運んだ大西洋横断奴隷貿易は、国際連合総会によって「人類に対してこれまでに行われた最も重大な犯罪」と認定されているが、その記憶を視覚的に突きつける作品「オ・バルコ(船)」が、今週火曜日(22日)からサンパウロ市のセスキ・ポンペイア(ブラジル商業連盟社会サービスが運営する文化センター、ポンペイア支部)で公開されている。
約400年にわたり、数百万のアフリカ人が拉致され、ヨーロッパ諸国の植民地で商品として売買された。この犯罪は、いくつかの旧植民地が国として独立を果たした後も続けられた。
ブラジルは、こうした奴隷化された人々の最大の到着地だった。激しい暴力と「奴隷船」と呼ばれた船によって、480万人以上の奴隷が大西洋を渡り、ブラジルで強制労働に従事させられた。
ポルトガル人アーティスト、グラダ・キロンバの作品は、観客に問いかける。「もし今日、海の水がすべて抜かれたとしたら、海底は何を語るだろうか」。
「『オ・バルコ(船)』は、ヨーロッパやラテンアメリカのモニュメントに登場する多くの船の底に何があったのかを示すものです。そうしたモニュメントは、歴史を栄光として語り、発見や覇権の拡大、ロマンチックで輝かしい物語として描いています。私はアーティストとして、その“栄光”とは何なのか、そしてその“栄光の船”が底に何を積んでいたのかを問い直したいのです」と、キロンバ氏はアジェンシア・ブラジルの取材に語った。
「もし水を抜けば、海も大地も、過去だけでなく現在に至るまで、何兆もの人間の身体が海を渡った痕跡を明らかにするでしょう。それは暴力の循環的な反復です」。
キロンバが制作した彫刻・パフォーマンス作品は、焼かれた木材134個のブロックで構成され、220平方メートルの空間に、全長32メートルの形で配置されている。
作品は巨大な船底のシルエットを描き、奴隷船の船倉で、数百万のアフリカ人奴隷の身体を収容するために作られた空間の構造を明らかにしようとする。
この展示作品は、植物学、歴史、大西洋横断の航海に関するキロンバ氏による広範な研究の成果であり、ギリシャ悲劇「アンティゴネ」にも着想を得た表現でもある。ギリシャの物語では、この世を去ったオイディプスの息子たちであるエテオクレスとポリュネイケスがテーバイ国の権力争いの末に互いを殺し合う。神話では、アンティゴネの叔父クレオンが王位を継ぎ、エテオクレスを英雄として葬るよう命じる一方、ポリュネイケスの埋葬を禁じる。
「この作品『オ・バルコ(船)』は、『アンティゴネ』の問いを引き継いでいます。誰が埋葬されることを許され、誰が許されないのか。誰が記憶され、涙を流され、称えられる場所を持ち、誰がそれらを持たないのか。物語が忘れられ、記憶されることを禁じられるのは偶然ではありません。それは記憶を生み出す行為だからです」と、アーティストは説明した。
キロンバにとって、海は数百万の命が失われた埋葬の場であり、そこには奴隷制や植民地主義だけでなく、戦争、気候変動、強制移住によって失われた命も含まれる。
「この船は過去だけを示すものではありません。現在も、多くの船が世界の海を渡り、ジェノサイド、虐殺、気候危機、強制移住、戦争や紛争から逃れようとしています。そして同じように、人々の身体は海の底へと沈んでいくのです」。
大型作品である「オ・バルコ(船)」は、セスキ・ポンペイアの倉庫スペースに収まるよう、規模を調整する必要があった。
「船がさまざまな港に寄港し、完全な状態では到着しなかったこと、すべての人々を乗せたままでは到着しなかったこと、そして今日の船も同じように、ある場所から別の場所へ向かう途中で“完全な状態では到着しない”という物語を扱い始めることは非常に興味深いのです。この考察はとても重要です。残念ながらこの作品の一部は、この空間では見られなくなっています。なぜなら、本来の作品は、この空間よりもはるかに大きいからです」。
完全な形ではないものの、作品の中央には18個のブロックが残されており、そこには金色で刻まれた詩が描かれている。添えられた詩はアーティスト自身が書いたもので、ヨルバ語、キンブンド語、カーボベルデ・クレオール語、ポルトガル語、英語、シリア・アラビア語に翻訳されている。「ひとつの魂、ひとつの記憶。ひとつの記憶、ひとつの忘却。ひとつの忘却、ひとつの傷」——これらは詩の一部の行である。
「この作品は、私たちの歴史の無意識です。私たちは、400年以上にわたりヨーロッパの奴隷制プロジェクトに組み込まれた歴史を持っていますが、その歴史は完全に消し去られています。私たちの現実の中で不可視化され、記録も研究もされていません。アーティストとして私は、この“不可視”と、この集団的想像の中で消されてしまった無意識を扱うことに強い関心があります」と、アーティストは語った。
キロンバによると、この作品の目的のひとつは「こうした船と、近代的アイデンティティの構築、そしてヨーロッパのアイデンティティの構築が、巨大な暴力の歴史の上に成り立っていることを示すこと」であり、その暴力の中心にあったのは、アフリカの人々であった。彼らは商品へと変えられ、その商品化が「帝国と富のすべてを築き上げた」。
そして、この暴力は現在も続いていると彼女は指摘する。「歴史が正しく語られないと、その野蛮さは繰り返されます」とアーティストは述べた。
<巡回展覧会>
「オ・バルコ」はすでにリスボンとロンドンで展示されており、ブラジルでは初めてミナス・ジェライス州のイニョチン美術館に到着し、28か月間展示された。そして現在、巡回の一環としてサンパウロ市に到着している。
「ブラジル国内を巡回するという発想はとても美しいものです。私たちは今、さまざまな建築空間、さまざまな場所や都市に作品を持ち込んでいます」とアーティストは語った。
セスキ・ポンペイアでは、グラダ・キロンバの他の2作品——ビデオインスタレーション「Opera to a Black Venus」とインスタレーション「Compressed Time」——も併せて展示される。
イニョチン美術館が企画したブラジルでの展覧会は無料で、サンパウロではセスキ・ポンペイアのガルポン・スペースで10月25日まで公開される。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




