サンパウロにメガ教会「ソロモンの宮殿」誕生
2014年 08月 4日7月31日(木)、サンパウロでペンテコステ派福音主義のウニヴェルサウ・ヂ・ヘイノ・デウス(神の王国のユニバーサル)教会、通称「ソロモンの神殿」の落成式が執り行われた。現地メディア(「オ・グローボ」、同日づけ、電子版)が伝えている。
「ソロモンの神殿」が建てられたのはサンパウロ州ブラス地域。同州のアパレシーダにある有名なカトリック大聖堂の4倍の大きさといわれるこの神殿は、7万平方メートル以上の敷地を持ち、ブラジル最大規模の宗教施設となるという。建設には約6億8000万ヘアイス(レアル)が費やされた。
2010年に行われたIBGEの国勢調査によると、ペンテコステ派福音主義は国内で4番目に大きいプロテスタントの宗派で、ウニヴェルサウは国内に約190万人の信者を抱えているという。
教団の創設は1977年。教祖のエヂール・マセド・ビショップは、ブラジルの大手テレビ放送網のひとつヘコール放送網の役員でもある。また、同教団はポルトアレグリで、地元テレビ・ラジオ局グアイーバ、地元新聞コヘイオ・ド・ポーヴォも買収している。教団は、政治とのつながりを指摘されたこともある。
落成式にはジウマ・フセフィ(ルセーフ)大統領、ミシェウ・テメル副大統領をはじめ多数の政治家の姿があったという。
披露の礼拝が行われる前に4度、電源に障害が発生して、ジウマ大統領が到着した時間にも障害が起きたため、大統領は3階分、階段を登らざるをえなかった模様。
ウニヴェルサウの広報やエヂール教祖によると、11の州知事、市長、国会議員、裁判官、そして連邦最高裁判所(STF)のヒカルド・レヴァンドウスキーとマルコ・アウレリオ・メロ裁判官、ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事、フェルナンド・アダヂ・サンパウロ市長も参列したという。
同教会は麻薬使用の根絶をテーマとして掲げているそうだが、サンパウロ州知事と市長は、サンパウロ旧市街区クラコランヂアにおける麻薬根絶プログラムにおける協力関係にあるという。
落成式典のハイライトのひとつは、イスラエルの人々にとって神聖なシンボルである、金メッキで飾られた箱舟のレプリカが教会に運び込まれるセレモニーで、約2時間かけておこなわれた。また、アフリカから来た合唱団がコーラスを務めた。
(文/麻生雅人、写真/Demétrio Koch)
写真下、落成式に参列したジウマ大統領