ブラジルは風味も香りも多種多様(2)粉末飲料はアマゾンフレーバーも人気
2015年 11月 10日風味の話題からは外れるが、ブラジルでは粉末飲料の需要も多い。飲料市場全体で、首位の炭酸飲料は約 40%を占め、次点に位置する粉末飲料は10%前後を占めている。
炭酸飲料が500㎖あたり大体1.5~3レアルであるのに対し、粉末飲料はスーパーで袋あたり約1レアル(=約40円)、水で薄めると1Lのジュースが愉しめる。
味も一般的なフルーツは勿論、アマゾンフルーツの「グラビオーラ」「クプアス」といった独特なアイテムまで存在し幅広い。2015年現在、景気低迷により飲料市場も低迷気味だが、その中で、粉末飲料は安定している。RTD飲料消費者が安価な粉末飲料へ移行していることが考えられる。
「打線は水物、野球は投手」というが、ブラジル飲料市場の4番バッターは炭酸飲料で、不況に強い粉末飲料は多彩な変化球と安定感を売りとする投手なのである。
話を嗜好性に戻し、飲料以外における地域差の大まかな例を挙げたい。例えば鶏肉。北部では脂感が受け入れられ易く、南部では受け入れられ難い。
肉へのアクセントは、北部ではコリアンダー、南部ではバジル等が用いられる。また、北部ではカプサイシン的な辛さが受け入れられ易く、南部では逆、といった傾向もある。
海の幸をトマトで煮込んだ料理「ムケッカ」においても、デンデ油、ココナッツミルク、コリアンダー等のパーツそれぞれを使ったり使わなかったり、少量用いたり、と地域によって組み合わせがだいぶ異なるようだ。
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(文/樫村覚人、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真/Divulgação)