疋田千里 ブラジル写真展「vida 街と街と街と」開催中
2015年 12月 20日東京・江東区北砂にある砂町銀座商店街には、昭和の面影を残す路地のような通りに存在感たっぷりなお店がひしめいて、平日からいつも多くの人でにぎわっている。
そんな個性あふれる商店街で、ブラジルの街や人を中心とした疋田千里さんの写真展「vida 街と街と街と」が開催されている。
展覧会を開催しているはくえん堂は、1960年代に創業したという額縁屋さん。この12月から、額縁の販売だけでなく絵や写真などの展示を行う貸画廊の営業をスタートさせた。記念すべき最初の展示が、開催中の写真展「vida 街と街と街と」だ。
フォトグラファーの疋田千里さんもまた、北砂在住。2003年よりフリーランスとして、ポートレート撮影を中心に、雑誌、広告、web、書籍カバーからCDジャケットなどを手掛けている。プライベートでも、旅や日々の写真などを撮り続けている。
今回の展示は2014年に疋田さんがはじめてブラジルを訪問したときに撮影したもの。日本に旅行に来ていたサンパウロのグラフィックデザイナーと知り合ったことが、彼女をブラジルへといざなったという。
写真の舞台はサンパウロ市、リオデジャネイロ市、サルバドール市の三都市と、サンパウロ郊外のピラール・ド・スウ市。
ピラール・ド・スウへは、大学時代の友人の幼馴染の方が現地で僧侶をしているときき、訪ねていったのだそうだ。開教使として同市で活動している菅尾健太郎さんは、日本人学校でも仏教の講義を行っている。この街には日本人移民が多く、1世の移民もふくめ、改めて日本の文化を知りたいという人、日本のことが忘れられない人たちが、菅尾さんの講義を聞きに来るという。
会場に展示されている写真には、そんなピラール・ド・スウの様子をはじめ、サンバ団体の練習場でカーニバル前のリハーサルにいそしむ人々、市場や街の商店で働く人々、農場で収穫をする人々、スタジアムでサッカーの応援に歓声をあげる人々などが写し出されている。
写真展のタイトルにあるヴィーダとは、ポルトガル語で人生や生活を表わすことば。さまざまなルーツを持つ人たちが、さまざまな街で暮らす生活の息吹を、まさにエネルギッシュな生活の匂いが充満する砂町銀座商店街のど真ん中で感じることができるという、ちょっと不思議な感覚でブラジルを感じられる写真展だ。
疋田千里 ブラジル写真展「vida 街と街と街と」
http://www.hikitachisato.com/
開催中~12月23日(水)まで
会場/はくえん堂(東京都江東区北砂4-26-4)
電話/03-3646-4974
営業時間/10:30~18:30
入場無料
http://hakuendo.com/
(写真・文/麻生雅人)
写真上は会場で販売されているフォトブックとポストカード。フォトブックはサンパウロのグラフィックデザイナー、ソラヤ・テンガンさんがデザインを手掛けている