ブラジルで、集団結婚式123組に交じって、母と娘が同時に結婚
2016年 05月 25日ここ数年、ブラジル各地で低所得者層向けの行政サービスとして集団結婚式が定着しつつある。
グローボ系ニュースサイト「G1」が5月21日づけで伝えたところによると、ブラジリアで行われた低所得者向け集団結婚式で、母と娘が同時に結婚式を挙げたという。
式は18時からウリシーズ・ギマラィンスコンベンションセンターで行われるが、朝8時、新婦たちが会場に集まり始めた。準備に約10時間かかるのだという。
「私は娘と一緒に式場に入ります。それぞれの夫たちは両腕を広げて私たちを待っているのです。私たちは幸せになります」(母、アウデリーナ・バウドゥイーノさん)
学生のパオラ・リマさんは、まだ婚約に至っていないが、結婚に関する迷信的な不安を振り切るために携帯電話を駆使している。
「彼は不安がっています。結婚についてすでに200回以上メッセージのやり取りをしています」(パオラさん)
コンベンションセンターでは国立就業訓練サービス(Serviço Nacional de Aprendizagem Comercial 以下「Senac」)の学生及び教員たちが、花嫁たちの髪のセットと化粧を手伝った。婚礼衣装は法務省が先導しているプロジェクト「アウマ・ジェメア」に関わっている事業者から調達された。このプロジェクトは低所得者層の夫婦向けのもので、婚姻書類の公証人費用などを参加者全員で案分するなど、低コストで安定的に運営されている。
法務省書記官のマルセロ・リマさんによると、このプログラムの利用者数は今年新記録を達成した。
「家族の連帯、新しい家族の形成は、社会の価値を間違いなく上げていきます」(マルセロさん)
ブラジリア連邦区によると、少なくとも876組の夫婦がこのプロジェクトを通じ、出費なしで結婚したという。集団結婚式は2012年以降、連邦区の様々な観光地で行われている。
昨年(2015年)9月、生活支援サービスコーディネーターのヂヴィーナ・ジェネジー・テリスさん(65歳)と年金生活者ジェズイーノ・バーハさん(82歳)はウリシーズ・ギマラィンスコンベンションセンターで結婚20周年を祝った。他にも81組の夫婦が参加した。
コンベンションセンターまでの道中、ヂヴィーナさんは語った。
「とっても楽しみにしています。たくさんの人が幸せに生きていて、ずっと一緒にいたいと思っている。その中にいられるのはとてもいいですね」(ヂヴィーナさん)
(文/原田 侑、写真/Reprodução/TV DF/TV Globo)
写真はTVグローボ系報道番組で紹介されたブラジリアでの集団結婚式。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで