Hondaがブラジル自動車業界で初の風力発電拠点を着工

2013年 10月 31日

風力発電

Hondaは10月30日(水)、ブラジルにおける風力発電事業会社ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダ(以下、ホンダエナジー)が、ブラジル政府関係者および地元関係者出席のもと、ブラジル南部のリオ・グランジ・ド・スル州シャングリラ市(サンパウロ州スマレ市にあるHonda四輪車工場から南へ約1,000km)に建設される風力発電拠点の着工記念式典を行ったことを発表した。現地発表は10月29日。2014年9月の稼働開始を予定しているという。

この風力発電事業は、自らの企業活動で発生する環境負荷の最小化を目指し、ブラジル自動車業界ではHondaが初めて開始するもの、という。同社は、ブラジルにおける再生可能エネルギーの使用を積極的に進めていく。なお、この風力発電事業への総投資金額は約1億レアル(約43億円※)が予定されている。

ホンダエナジーが運営する発電拠点には風力タービン9機が設置される予定で、年間発電量は現在Hondaブラジルでの四輪車生産活動(年間生産台数約14万台)に必要とする年間電力量に相当する約9万5,000メガワットアワーとなる見込み。工場で必要な電力量を再生可能エネルギーで創出することによるCO2排出量の低減効果は、年間約2,200トン以上に上る見込みとのこと。

ホンダエナジー

また、ホンダエナジーは着工記念式典に合わせて、新規に設定したカンパニーロゴを発表した。ロゴの丸い円は地球を表し、持続可能な自然を表現しているという。円内のラインは風力発電に必要な風の動きならびにHondaのさらなる環境活動の強化を表現している。また、ロゴのメインカラーに使用した青は生命に不可欠な青空(きれいな空気)ときれいな水を象徴しているとのこと。

※ 1レアル=43円換算

ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダのカルロス・エイジ社長は「Hondaは、1976年にブラジルでの生産活動を始めて以来、ブラジル社会と協調し、生産活動が環境へ与える負荷を可能な限り低減する努力を進めてきました。風力発電はCO2排出量低減にとても有効であることが分かっており、本日の着工により、再生可能エネルギーの活用に一歩近づいたことを大変うれしく思います。今後もブラジルでの環境保全活動に積極的に取り組んでいきます」というコメントを発表した。

Hondaは全世界で販売する製品のCO2排出量を2020年までに2000年比で30%低減するという目標を定めており、生産時やサプライチェーンを含めた企業活動全体でのCO2排出量低減に向けた取り組みを、グローバルで強化していく。

ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダ(Honda Energy do Brasil Ltda.) 概要

会社名:Honda Energy do Brasil Ltda.
設立:2013年3月21日
資本金:1,000レアル(約4万6,000円※)
出資比率:Honda Automoveis do Brasil Ltda. 99.99%、その他 0.01%
代表者:社長 カルロス・エイジ
所在地:本社 ブラジル リオ・グランジ・ド・スル州シャングリラ市
事業内容:風力発電事業の管理、運営
設置タービン数:9機(1機の最大出力 3メガワット)
発電能力:最大出力 27メガワット(9機合計)

(文/麻生雅人、写真/apr77)
写真はイメージ。リオ・グランヂ・ド・スウ州にある風力発電施設