リヴラリーア・クウトゥーラがFnacのブラジル事業を買収か

2017年 07月 24日

リヴラリーア・クウトゥーラ

サンパウロ市中心部、パウリスタ大通りの文化的拠点といえば、リヴラリーア・クルトゥーラとFnac(フナッキ)。書籍などの品ぞろえの豊富さのみならず、店内の独特の空間設計が文化の香りをより高めている。

その二つが運営面で統合されるというニュースが入ってきた。

グローボ系ニュースサイト「G1」が7月19日づけで伝えたところによると、同日、リヴラリーア・クウトゥーラ(以下「LC社」)が書籍と電化製品店のフランス系チェーン店、Fnac Darty(以下「FD社」)の株式を収得したという。

株式の譲渡金額は明かされていない。

FD社はLC社に「Fnac」の商標の使用を許可し、FD社自身の市場での競争力を上げるべく増資を行う予定だ。FD社は自社の電化製品部門がLC社に追加されることでLC社の活動の幅が広がるとしている。

LC社の取締役会会長であるペドロ・エルツ氏によると、ここ数週間で買収は完了するという。

FD社はブラジル国内の7州に12店舗展開している。同社がブラジルに進出したのは1999年で、現在では550人の従業員を雇用する小売ネットワークを形成している。

Fnacグループによると、ブラジルでの事業は同グループの年間売上の2%、74億ユーロ(約9600億円)を稼ぎ出しているという。

ロイターによると、ここ数年の不況下のブラジルで、FD社は家電店競合他社との競争にさらされ、在庫の回転率が極端に下がっていたとのことだ。

2017年2月、Fnacグループは2016年のブラジル事業の収支がゼロと発表すると同時に、ブラジルからの撤退を表明していた。

LC社は設立から70年を迎え、全国に17店舗を展開しており、2016年の売上高は3億8000万レアル(約140億円)だった。

同社によると、企業文化が似ているFD社との統合は付加価値、シナジー効果を高め、新しく追加された商品・サービスは事業の多様化に資する、とのことだ。

(文/原田 侑、写真/麻生雅人)