ブラジル発のエシカルファッションが、期間限定のポップアップショップに登場
2017年 09月 17日9月18日(祝)よりエシカルファッションのセレクトショップ「シナリービヨンド」が奥渋谷で開催するポップアップショップで、ブラジル産の素材を使ったエシカルファッションが紹介されます。
ポップアップショップを展開するのは、エシカルファッションの選択肢を提案するコンセプトショップ「A Scenery Beyond..(シナリービヨンド)」。普段はオンラインショップとして運営されている同店のアイテムを、実際に手に取ってみることができるそうです。
主催者によりますと、現在のファッションビジネスの犠牲になっている数々の問題(途上国での労働搾取、児童労働、人権侵害、環境破壊等)について配慮し、持続可能なかたちのしくみに是正していくエシカルファッションの重要性は昨今、国際的にも認識が高まっているとのことです。
シナリービヨンドのオンラインセレクトショップがオープンした目的のひとつにも、昨今のファストファッションの隆盛などによる大量生産・大量消費の習慣の影で踏み台になっているさまざまな問題に関する<メッセージの投げかけ>があるそうです。
またシナリービヨンドでは、もうひとつ、大きな目的を掲げているそうです。
エシカルファッションは日本でも徐々に関心が高まりつつあり、フェアトレードや素材に配慮されているエシカルブランドがいくつも誕生しているそうですが、日本で流通しているエシカルファッションのプロダクトやデザインのバラエティはかなり限定的で、その多くは<自然素材の素朴な質感>、<アースカラーの色調>、<エスニックデザイン>などの印象が強いものだそうです。
これらは「ふつうにファッションを楽しむ人たち」の身近な選択肢になっているとは言えないのではないかという想いから、シナリービヨンドでは日本におけるエシカルファッションの選択肢を広げるため、デザインとクオリティの優れたエシカルブランドを国外からも買いつけて、従来のエシカルファッションのイメージから離れたミニマリズムデザインやコンテンポラリーデザインと伝統的技法を融合したデザインなどのプロダクトも扱っているそうです。
「エシカルだから」という条件付きで商品を流通させるのではなく、ほしいから買う、商品が魅力的だから売れる、という、純粋な購買欲求をベースにしたEthical choiceを提案することも、シナリービヨンドが誕生した目的のひとつとのことです。
そんなシナリービヨンドが今回のポップアップショップで紹介するのは海外発の6ブランド。そのうち2ブランドがブラジルとかかわりのあるアイテムを発信しています。
そのうちのひとつ「Escama Studio(エスカマスタジオ)」はアメリカ合衆国のサンフランシスコを拠点にするブランドですが、ブラジルの生産者とフェアトレードの原則に基づいて、デザインを提供し、直接取引を行っている団体です。
リサイクルされたアルミ缶のプルタブを利用したバッグは、ブラジルの首都ブラジリアで活動するCia do Lacre – Associação Artesanal Moda e Tradiçãoと Associação Artesanal Da Moda – Panteras Do Lacreという二つの手工業協会に所属する職人が手作りをしているとのことです。
プルタブという廃素材を使ったモダンなデザインと、伝統的なクロシェットの技術を組み合わせて生まれたEscama Studioの商品は、メタリックなフォルムと手作りならではの温かい味わいを持った個性的なアイテム。
実はこのプルタブのバッグこそが、シナリービヨンドの間瀬千里代表がエシカルファッションのセレクトショップに取り組むきっかけとなったアイテムだったそうです。そのエピソードは同社サイトにて紹介されています(https://info.scenerybeyond.com/posts/2219109)。
このスタイリッシュなプルタブバッグは世界中にファンを作り、NYの近代美術館MOMAのショップでも取り扱われているそうです。同商品の制作活動を通して、生産者である女性たちは現金収入を得るとともに、自信や誇りを持つことができる場所を見つけているそうです。
「veja」は、フランス発のスニーカー・ブランドですが、素材はブラジルの北部や北東部から届けられています。
ブラジル北部で育てられたオーガニックコットンやアマゾン中心部のナチュラルラバーなどを使用、過剰な生産を行わないなど環境に配慮したモノづくりを行っているブランドです。中間業者を通さず生産者と直接やりとりをしてフェアトレードで正当な対価を支払っているそうです。
上記2ブランドのほかにポップアアップショップには、エシカルな哲学に支えられた完璧なミニマリズム・スタイルのアイテムを紹介するニュージーランドの「Kowtow」、ガーナ、インド、ペルーの各地の生産者、職人と共に、彼らのスキルの向上と継続的な雇用の確保を実現しながら製品を生み出している「Osei-Duro」、アルゼンチンの伝統的な技法を駆使した職人の手によるものづくりを行うブエノスアイレスのシューズブランド「Martiniano」、グアテマラの伝統的な絣織のテキスタイルを利用し職人が手作りで作るシューズブランド「The Root Collective」という4つのエシカル・ブランドが並びます。
「A Scenery Beyond.. POP-UP SHOP」
会期:2017年9月18日(月-祝日)~9月24日(日)
場所:SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS ギャラリースペース
東京都渋谷区神山町17-3テラス神山1F
営業時間:11:00-23:00(mon-sat)
11:00-22:00(sun)
*18日(祝)は11:00〜22:00
*最終日は18:00まで
電話番号:03-5465-0588
(写真中(Escama Studio)・文/麻生雅人、写真提供(Veja)/シナリービヨンド、写真上(Escama Studio)/reprodução/YouTube)