新春企画<PLAYBACK 2021年カシャッサ重大ニュース>“ジョニー・ウォーカー卿に敗訴”したカシャッサ
2022年 01月 2日昨年(2021年)もカシャッサに関するさまざまなニュースが報じられたが、ジョニー・ウォーカーに訴えられていたカシャッサの裁判に判決が言い渡された件も、カシャッサ業界をざわざわさせたニュースだった。「フォーリャ・ヂ・サンパウロ」、「オ・グローボ」、「オ・テンポ」など各紙が報じている。
2014年から続いてた裁判に最終判決を言い渡したのは、ブラジルの第三審連邦司法高等裁判所(STJ)。
昨年(2021年)9月、同裁判所は、カシャッサブランド「ジョアン・アンダンチ」に対し、スコッチウイスキーメーカー「ジョニー・ウォーカー」を擁するグローバル企業ディアジオからの商標権の侵害の訴えを認め、道徳的損害賠償として5万レアルの支払いを命じたとのこと。
「João Andante ジョアン・アンダンチ」は、2008年にブラジルのミナス・ジェライス州南部にある人口約8,000人の田舎の都市、パッサテンポ市で製造が始まった、カシャッサのブランドだ。
ブランド名のJoão ジョアンは、聖ヨハネに因むポルトガル語の男性名。イタリア語名のジョヴァンニ、フランス語名のジャン、英語名のジョンに相当する。ジョニーは、英語でのジョンの愛称だ。
ポルトガル語のAndante アンダンチは、放浪を表す形容詞、または歩く人、歩行者、放浪者などを指す名詞。
つまり、João Andante ジョアン・アンダンチは英語で言えば、訳し方にもよるが、Johnnie Walker ジョニー・ウォーカーにもなり得る。ただしスコッチ・ウィスキー「ジョニー・ウォーカー」のウォーカーは、歩く人ではなく、創業者ジョン・ウォーカー卿の名前に因んでいる。
2014年にディアジオにより、ジョアン・アンダンチのブランド名使用の停止と、ブランド名の不適切な利用による損害賠償を求めて訴訟が起こしていた。
しかし「ジョアン・アンダンチ」の製品ラベルの図版をみると、一人の男性が歩いているシルエットと言う点では「ジョニー・ウォーカー」と共通しているが、風貌は大きく異なる。
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