アマゾン地域の先住民居住地、武装攻撃を受ける
2025年 02月 26日
パラー州の州都ベレン市から約1,000キロ離れた、州南東部のサン・フェリックス・ド・シングー市にあるアピテレワ先住民居住地(TI)のリーダーたちが、パラカナン族のテカタワ部落に対し新たな武力による攻撃があったことを連邦検察省(MPF)に報告した。
ママ・パラカナン酋長によると、武器を持った男性数名が2月19日(水)の早朝、部落内に侵入したという。
「12ゲージのショットガン、ピストル、カービン銃、44ゲージのライフルのそれらすべての銃器による大量の発砲があった」と先住民の酋長はMPF職員に送信した音声メッセージで報告した。
「私たちは、軍、連邦警察、裁判官、検察官による支援が必要です」。
悲劇が起きないよう公的機関への援助を要請したママ・パラカナン酋長は「私たちは応戦しました。神のご加護で、怪我人は出ませんでした」と付け加えた。
ブラジルアマゾン地域先住民組織連合(Coiab)によると、同地域へのアクセスするための橋が破壊されたため、テカタワ部落は孤立した状態になったという。
「幸いなことに、今回の襲撃による負傷者は出ませんでしたが、危険な状態だったため、女性、子ども、高齢者は直ちに近隣の村に避難しました」と同連合は答え、事件の捜査と襲撃者の処罰を要求した。
連邦政府機関によると、アピテレワ先住民居住地(TI)は、かつて法廷アマゾン地域の中で最も森林破壊が進んだ領域だったという。2023年10月、連邦政府は、パラカナン族のみが用益権を認められている773ヘクタールのエリアから、すべての非先住民を掃討することを目的とした、不法侵入排除の大規模なオペレーションを敢行した。1ヘクタールは、おおよそ公式なサッカー競技場の面積に相当する。
国立先住民保護財団(Funai)によると、土地を先住民に返還するだけでなく、不法侵入者排除と国家機関の影響力は、アピテレワ先住民居住地(TI)の森林破壊をほぼ根絶させたという。
しかしながら、この領域の自然の価値の高さは、侵害者たちの利権欲を喚起し続けており、居住部落への新たな攻撃や、先住民と非先住民間の衝突が、時折、記録されている。
ブラジル全国司教協議会(CNBB)の関係団体である先住民復権伝道評議会(Cimi)によると、2月19日の襲撃は、ここ3か月内で記録された、3回目の襲撃だという。
「パラカナン族は、監視と農業活動を行うためにこれらの地域に複数の新しい部落を開設しています。このおかげで再侵略を困難にしたり抑止したりします。そのため、かつてここをに居座っていた侵略者たちが、その土地があたかも自分たちのものであるかのように、毎月のように襲撃してくるのです」と、先住民復権伝道評議会(Cimi)北部第二支部のコーディネーターであるジョゼー・クリアントン・ヒベイロ氏が報告の中で指摘している。
「この部落が襲撃の的になったのが今回が初めてではなく、そのことで部落の住民間に漂う不安や危惧の空気を悪化させることになることは特筆すべき事態です。彼ら自身の生存と領地の保全を含む、先住民族の基本的人権の保護を確実なものにするため、管轄当局による緊急の措置の必要性を改めて訴えます」と、ブラジルアマゾン地域先住民組織連合(Coiab)も報告の中で、改めて強調した。
アジェンシアブラジルが問い合わせたところ、連邦検察省(MPF)は、事件について初めて連絡を受けたのが2月20日で、直ちに連邦警察(PF)に告発状を送ったと報告した。
「連邦検察省(MPF)は、起きた事実の全貌を検証するため、連邦警察(PF)による、物的証拠と証言に基づく公正な捜査の仕事を見守り、待機しています」と連邦検察省(MPF)は答えた。
報告書は、パラー州の連邦警察(PF)監理部門に送られ、回答を待っている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)