ブラジル各地で「闘うアマゾニア文化フェス」開催
2025年 09月 21日
第4回「闘うアマゾニア文化フェス」が、パラー州ベレン市で行われるCOP30の50日前にあたる時期に合わせて、9月19日から21日までブラジル全土で開催され、多彩な活動が行われる。この運動は、気候変動危機への対抗に不可欠とされる「未指定の公有林(FPNDs)」5,000万ヘクタールの保護に注目を集めることを目的としている。
活動はブラジルの5つの地域で展開され、アーティスト、活動家、市民団体が「COPまであと50日、守るべきは5,000万ヘクタール」というスローガンのもとに結集する。また、アマゾン法定地域に属する州の州知事たちに対し、森林管理提案を提示するための面会要請文書も送付する予定。
「『闘うアマゾニア』のスタート時点から、私たちの最大の目標は、アマゾニアの生物群系における生産活動やそこに暮らす人々の営みが単なる地域的な話題で終わるのではなく、国境を越えて広がり、共同の責任としてこの土地を守ることを呼びかけることでした」と、「闘うアマゾニア」のカタリーナ・ネフェルタリ・コミュニケーション・動員担当は語った。
「アマゾンを守ることは、ブラジルが地球の未来のためにできる最大の貢献のひとつです。この地域は、気候の安定と地球規模の気候バランスに大きく寄与しています」(カタリーナ・ネフェルタリさん)
ブラジル北部に位置するCOP30開催地のベレン市では、自然療法のワークショップ、映画上映会、対話の輪、文化パフォーマンスなど、64の活動が予定されていいる。
先住民のシェフ、タイナ・マラジョアラは、アマゾンの食文化を守るためのマニフェストを提言する。「シベー」などの市民団体は、市場や公共空間で気候変動に関する議論を展開する。
南東部および南部では、マジェー市(リオデジャネイロ州)で開催される「フェイラ・オンサ(ジャガー市)」では、一般的な経済と気候問題の議論を関連付けを試みる。ポルトアレグリ市(リオグランジドスウ州)では、2024年の大洪水後に残ったマッタ・アトランチカ(大西洋岸森林)の保護を目的に、環境保護団体SOSフロレスタ・ド・サバラーが活動を行う。
またこのムーヴメントは、「闘うアマゾン」国民発議法案の成立も推進しており、すでに30万筆以上の署名を集めている。法案が国会で審議されるためには、150万筆の署名が必要となる。
この法案は、森林伐採、火災、不法占拠、違法採掘の被害を集中的に受けている「未指定の公有林(FPNDs)」に法的な保護と利用目的を与えることを目指している。
「先住民やキロンボーラ(アフリカ系住民を中心とした共同体)に割り当てられた地域は、環境犯罪の発生率が最も低くなっています。もしブラジルが経済的・社会的な発展を続け、社会正義を推進したいのであれば、これらの森林を、これまで常に守ってきた人々に託す必要があります。そうすることで、すべての人にとっての共有財産であるこの森が“存続し続け”、世代を超えてより良い暮らしをもたらすことができるのです」(カタリーナ・ネフェルタリさん)
公有林観測所の最新データによると、2025年1月から7月の間に、アマゾンでは26万2,500ヘクタールが伐採され、そのうち25%がFPNDsに集中していた。同期間に、これらの地域では5万9,700ヘクタールが火災の被害を受けており、そのうちの4分の3は連邦政府の土地だった。パラー州は、焼失面積の59%を占める最大の被災地域となっている。
専門家によると、未指定の公有林(FPNDs)は最大で50億トンの炭素を蓄える能力があるとされている。もしこれらの森林が破壊されれば、190億トンのCO₂が放出される可能性があり、これは2024年の世界推定排出量の51%に相当するという。
カタリーナ氏によると、社会を巻き込んでアマゾンを守ることは、国全体のすべての生物群系(バイオーム)を守るための、より広範な活動を盛り上げていくことにつながるという。
「私は破壊に抗いアマゾニアが存続することを望みます。でも、カアティンガも存続してほしいし、セハードも“存続してほしい。これらの生物群系の相互依存性を理解することはとても重要です。これらが密接につながっているように、私たち人間も自然と深く結びついているのです。このムーヴメントに関わった多くの人々は、自分自身の大地をより深く理解し、自分の足元とつながり、祖先とのつながりを取り戻し、自らの文化を再発見することができるのです」(カタリーナ・ネフェルタリさん)
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)