サンパウロ州科捜研、メタノール混入飲料の迅速な科学捜査プロトコルを発表

2025年 10月 10日

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サンパウロ州科捜研ではプロトコルの導入により、押収されたすべてのボトルを検査しなくても、99%の信頼性をもって結果を得ることが可能となった(画像提供/Divulgacao/Governo de SP)

サンパウロ州政府は、10月9日(木)に州内で新たに3件のメタノール中毒症例が確定され、陽性件数は合計で23件となったと発表した。さらに148件が現在も調査中であり、152件はすでに否定されている。

同州では、蒸留酒に含まれていたこの物質の摂取によってこれまでに5人の死亡が確認されており、さらに6件の死亡事例について調査が進められている。

州の科捜研(SPTC)は、メタノールの検出および飲料の偽装判定に関する新たなプロトコルを公表した。このプロトコルは分析の迅速化を目的としており、鑑識チームにとって、店舗の安全性を判断するために必要な検体(ボトル)の数を従来より少なくすることが可能になる。この新基準は、警察の巡回部隊や技術機関が監視するロット(製品群)の安全性評価に活用される。

この措置はすでに本日から効果を発揮し始めており、ABC地域(サント・アンドレ市、サン・ベルナルド・ド・カンポ市、サン・カエターノ・ド・スウ市)の2つの店舗において約600本の飲料が販売禁止となり、さらに数十本のボトルがその場で押収され、鑑定に回されることとなった。

販売禁止となったボトルについては、行政によって押収されるのではなく、店舗側が責任を持って、検査の結果に応じて販売許可が出るか、偽装が確認されるまで保管する義務がある。

押収品は押収後、ボトルはまず文書鑑定部門に送られ、封印、税印、容器、ラベルなどが検査される。この部門は、ボトルを1日以内に化学分析部門へ送ることになっている。

化学分析部門では、ボトルを開封せずに検査を行うことが可能で、メタノールやその他の汚染物質の有無を判定できる。

この手順はすでに30件の事例で検証されており、迅速な初期評価を可能にしている。疑わしいケースについては、液体の成分分析によって各要素の含有量が明らかにされ、確定診断が行われる。

「メタノールが含まれていない場合でも、飲料が偽造品である可能性があるため、他の検査も実施されます」と、州科捜研(SPTC)のカリン・カワカミ技術補佐官は説明した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)