COP30開催中のベレン市で、森の民が森林保護を訴え行進

2025年 11月 17日

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森林資源採取民のリーダーたちと支援者が、ゴム採取民が使うランプを頭に載せて「森の民によるポロンガの行進」に参加した。この行進はCOP30の並行イベントとして行われた(写真/Bruno Peres/Agência Brasil)

「森の死は私たちの命の終わり」というスローガンを掲げ、ブラジル各地の異なるバイオームから集まった、森林資源を採取して生活する人々のリーダーたち数百人が、11月13日(木)午後、ベレン市内を行進した。

彼らは、伝統的領域の権利の保障と、持続可能な利用を目的とした保護区が生態系の均衡や気候変動対策に不可欠な生態系がもたらす機能を担っていることを訴えた。

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この抗議行動は「ポロンガッソ・ドス・ポーヴォス・ダ・フロレスタ(森の民によるポロンガの行進)」と名付けられ、主にゴム採取民(セリンゲイロ)、ブラジルナッツ採取民(カスタニェイロ)、川沿いの住民(ヒベイリーニョ)、伝統的漁民、ババスー椰子割り女性(ケブラデイラ・ジ・ココ)など、森林と共に暮らす共同体の人々が参加した。

夕刻のベレンの街路は、ポロンガ(ゴム採取民が森の小道を歩く際に用いるランプ)の灯火で照らされた。これらのランプは、1985年に設立された全国森林資源採取民評議会(CNS)の歴史的闘争の象徴となっている(注:デモのタイトルになっている「ポロンガッソ」とは、ポロンガを掲げて行う抗議行動のこと)。

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ゴム採取民が使うランプ「ポロンガ」(写真/Bruno Peres/Agência Brasil)

1970年代、アクリ州のゴム農園で、シコ・メンデスの指導の下、この運動は暴力や土地の不法占拠、環境破壊に直面する森林資源を採取民に政治的に声をあげる力と組織力を与えた。

この行進は、ベレン市で今週から来週にかけて開催されている第30回国連気候変動会議(COP30)の交渉と並行する活動として企画された。

「私たち森林資源採取民の共同体は、伝統的領域を自らの生命の延長として理解しています。だから、森が健やかでなければ、川が健やかでなければ、沿岸域が健やかでなければ、私たち自身も健やかではないのです」と、全国森林資源採取民評議会(CNS)のレチシア・モラエス副議長は語った。

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「生きた森を保持している唯一の領域は、伝統的共同体の責任と管理下にある領域だということは、科学的にすでに証明されています。だから私たちが行っている森林と保護の共生関係は、その土地に生まれたからこそ成り立つものなのです。私たちは所有者だとは感じず、その土地の一部だと感じるのです」と語ったのは、マラジョー島出身の森林資源採取民で、持続可能なアグロフォレストリー活動を営み、独特なスタイルの入植プロジェクトとして知られる、アグロエシトラチヴィスタ(農業と森林資源採取による持続可能な生活・生産モデル)入植プロジェクト(PAE)に参加している女性である。

全国森林資源採取民評議会(CNS)のデータによると、保護区やアグロエシトラチヴィスタ入植プロジェクト(PAE)は、持続可能な森林利用を通じて4,200万ヘクタール以上の森林と河川を保護しており、これは国土の約5%に相当する。

これらの地域には約255億トンのCO₂換算が蓄えられていると推定され、ブラジル全体の排出量の約11年分に相当する。CO₂は、石炭や石油など化石燃料の燃焼によって排出され、地球温暖化の主な原因となる温室効果ガスである。

COP30には、ブラジルの森林資源採取民共同体が特別代表を通じて参加している。森林資源採取民のリーダーであるジョアキン・ベロ氏は、国際交渉の場で働きかけ、これらの共同体が担っている生態系機能を気候変動緩和の目標に組み込むよう求めている。

「私たちは、気候変動のさまざまな問題に対する解決策です。なぜなら私たちは森を守っており、その森は、気候の均衡に果たす役割があるからです」(ジョアキン・ベロ氏)

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森林資源採取民のリーダーたちと支援者が、ゴム採取民が使うランプを頭に載せて「森の民によるポロンガの行進」に参加した。この行進はCOP30の並行イベントとして行われた(写真/Bruno Peres/Agência Brasil)

行進はエネイダ・ジ・モラエス広場から始まり、ペドレイラ地区のアウデイア・カバナで終わり、最後にCNSによる文書がマリーナ・シウヴァ環境・気候変動相に手渡された。

提出された書簡には、数多くの要求が列挙されていた。その焦点の一つとして、森林資源採取民保護区、持続可能な開発保護区、その他の伝統的領域が、森林伐採の削減、在来植生の維持、炭素蓄積の保全にリアルに貢献していることを理由として、ブラジルの「国が決定する貢献(NDC)」や国内外の気候関連条約に、正式に認められるべきだ、という点が挙げられている。

「私たちは、これらの領域が、気候変動への適応策(影響への備え)と緩和策(排出削減)の両方において優先されるよう求めます。領域保護、共同体による管理の支援、領域監視の強化、森林の持続可能な利用に向けた取り組みへのインセンティブ拡大に資する、安定的かつ継続的な投資を、公的資金と民間資金の双方から確保することを訴えます」と文書の一節には記されている。

林資源採取民に向けた演説の中で、マリーナ・シウヴァ環境・気候変動相は、自身がアクリ州でシコ・メンデスと共にゴム採取民として過ごした経歴を振り返り、これらの共同体が「森の守り手」として果たす役割を強調した。

「皆さんの暮らしそのものが、気候変動の問題を解決する助けになっています。ある人々は、直面している問題に対応するために技術を必要としますが、皆さんの場合はその生活様式自体が技術なのです」(マリーナ・シウヴァ環境・気候変動相)

「先住民、ゴム採取民、川沿いの住民、ババスー椰子割りの女性たち、ジェライス地方の住民、ココ割りの女性たち――彼らの技術とは、自らの生活様式そのものです。それは森と生物多様性を守り、炭素を吸収し、さらに文化・多様性・美を脈打つ地球の心臓のように機能しています。ただ一つ必要なのは、公共政策がさらに拡充されることです」(マリーナ・シウヴァ環境・気候変動相)

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)