活動家ら、カーニバルの仮装における<ブラックフェイス>を批判

2026年 01月 19日

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ブラジル人種平等省(MIR)が主導する「人種差別なきカーニバル。さらに輝くために」キャンペーンは2025年から始まった。写真は2025年2月23日、リオ州ニテロイ市オルト・ド・フォンセカ自然公園でのキャンペーン発表式で配布されたうちわを手にする人々(写真/Gabrielle Paju/MIR)

「ブラックフェイス・ジ・カベーロ(髪のブラックフェイス)」。これは、白人がアフロのかつらや黒人の髪型をカーニバルで用いることに疑問を投げかけるため、インターネットページ「サンバ・アブストラット」が作り出した表現の一つだ。

「ネガ・マルーカ(カーニバル文化の中で長く使われてきた、黒人女性を差別的に戯画化した仮装キャラクター)」や「先住民」など、特定の人種的アイデンティティを嘲笑する仮装と同様に、白人の参加者が縮れ髪をアクセサリーとして使うことも不適切であり、人種差別にあたると、同ページを運営する活動家たちは訴えている。彼らは黒人の視点から、この問題についてカーニバルの時期に訴え続けておよそ10年になる。

同ページは、コミカルで風刺的な言葉遣いを用いながら、カーニバル文化の「白人化」に内在する人種差別を告発している。

彼らが指摘する事例の中で、特筆すべき項目のひとつが「(カーニバルで)サンバを踊れない白人女性がパシスタ(ダンサー)として選ばれること」だ。サンバ・アブストラットによる皮肉の表現を借りれば、(白人女性は)「腕の先にサンバをつけているだけ」の状態でも選ばれてしまうことだ。こうした選出には、巻き髪や縮れ髪の模造品を身につける行為が伴う場合がある。

<ブラックフェイス>とは、白人が黒人の身体的特徴を戯画的に模倣するために、肌を黒く塗ったり、かつらやその他の小道具を用いたりする人種差別的な行為を指す。

この用語はアメリカ合衆国で生まれたもので、白人俳優が舞台で黒人を演じる際、グリースや炭などを使って肌を黒くし、ステレオタイプで侮蔑的な形で表現していた歴史に由来する。

つまり「ブラックフェイス・ジ・カベーロ(髪のブラックフェイス)」とは、黒人の縮れ髪をまねたかつらなどの模倣品を使うことで、黒人の髪を侮蔑的に扱い、差別的に再現してしまう行為だとされる。

近年、状況は改善しつつあるものの、アフロヘアも、長年にわたり「カッコ悪い髪」「醜い髪」とレッテルを貼られてきた。

「サンバ・アブストラット」の運営メンバーはアジェンシア・ブラジルの取材に対し、その結果として黒人女性たちは屈辱を受け、たとえば就職の場で不当に排除されてきたと指摘する。

ところがカーニバルの時期になると、ふだんは黒人文化を尊重せず、反人種差別の活動にも関わらない人たちが、カーニバルになると突然「黒人女性」の仮装をしようとする。「サンバ・アブストラット」によると、「髪のブラックフェイス」は「ネガ・マルーカ」の仮装が表している差別的な意思の系譜を引き継ぐ行為だという。

「一年中、白人の美的基準を支持し、まっすぐで整った“きれいで”、“適切”とされる髪型を身につけ、自分たちのあり方をそれで表現している──そのこと自体は何の問題もありません。ところが、いざカーニバルになると、なぜ“黒人女性”の仮装をしたがるのですか?  それは戯画化した行為です」と、「サンバ・アブストラット」の運営メンバーはアジェンシア・ブラジルに回答した。

「黒人女性たちは、自然な縮れ髪であれ、三つ編みなど別のスタイルであれ、その髪型を理由に解雇されたり、差別されたり、働くことを妨げられたりしてきました。私たちが現実の生活の中で、(この髪に対する差別と)必死に闘っている一方で、他の人たちは、その髪や黒人の美意識を、軽々しく“仮装”として消費するのです。そしてカーニバル最終の日曜日になると、シャワーを浴びて、また髪をまっすぐに戻してしまうのです」(サンバ・アブストラット)

黒人の存在の否定

白人女性の参加によってカーニバルが「白人化」し、地域コミュニティのパシスタ(ダンサー)から主役の座が奪われている状況を分析する中でサンバ・アブストラットは、サンパウロ州立大学(Unesp)FAAC のジャーナリズムの専門であり同学部長でもあるジュアレス・タデウ・ジ・パウラ・シャヴィエール教授が「黒人社会に対する社会的・文化的な抹消」と呼ぶ現象を指摘している。

同氏は、差別の起源とその現在の影響を研究しており、カーニバルにおける事例もその一部に含まれる。

「黒人に対する(社会的・文化的な)“抹消”には、まず身体的なものがあります。若い黒人の致死率のデータがそれを示しています。そしてもう一つは、黒人が本来いるべき“見える場所”から排除され、消されてしまうという現象です」(シャヴィエール教授)

黒人の美の否定や黒人文化の抹消も、この過程の一部だと同氏は説明する。

「これは、奴隷制廃止後に黒人の存在をこの国の形成から排除しようとした発想と同じです。黒人たちは、非常に厳しい状況の中でブラジル国家の基盤を築いたのです」(シャヴィエール教授)

現在私たちが知るカーニバルは、視覚的・美的な面でテレビ放送向けに作られ、商業的な商品として構成されているとシャヴィエール教授は指摘する。しかし、実際にこの祭りには黒人の痕跡が深く刻まれているという。教授によると、エスコーラ・ジ・サンバ(サンバ団体)は、黒人系の人々が、集団的な生存手段として築き、維持してきたものだ。奴隷制廃止後、黒人たちは収入や仕事へのアクセスを奪われる「生産的排除」に直面し、その影響が現在まで続いていると説明する。

シャヴィエール教授は、この状況を変えるには、黒人差別や女性差別に立ち向かうための広範な戦略が必要だと強調する。その一環として、ブラジル人種平等省(MIR)が今月12日にリオデジャネイロで開始したキャンペーン「人種差別なきカーニバル。さらに輝くために」が位置づけられる。

「連邦政府の名を冠したキャンペーンが展開されるということは、こうした差別が表われうる場に対して、政治的な対抗措置が明確に示されているということです」(シャヴィエール教授)

人種差別のないカーニバルへ

同省のキャンペーンは、17日(土)から、人種侮辱や攻撃的な仮装、さらには象徴的な暴力や差別的行為に注意を促す資料を配布する予定だ。資料は、全国の主要なカーニバル会場に加え、(連邦政府が主導する)「黒人青少年いのちのプロジェクト(Programa Juventude Negra Viva)」に参加している自治体でも配られる。

人種平等省(MIR)のチアーゴ・サンタナ人種差別対策局長の見解では、カーニバルでは、すでにこうしたステレオタイプ的な仮装は過去のものとなりつつありますが、それでもなお続けようとする人々がいるという。

「黒人文化やアフロ系宗教、黒人のキャラクター、まして黒人女性を貶めるような仮装は、もはや許されません。そのような行為がまかり通る時代はもう終わりです」(チアーゴ・サンタナ局長)

同氏によると、このキャンペーンは直接的な攻撃や侮辱に立ち向かうためのものではあるが、同時に、黒人文化や黒人の美的表現が“嘲笑の対象”にされることを抑止することも忘れてはならないという。

今回のキャンペーンでは、被害者に対し、通報窓口「Disque 100」(人権・市民権省)や、人種平等省のオンブズマンを通じて被害を届け出るよう促す役割も担う。両機関は、被害者の相談に応じ、警察署などの公的機関で正式な手続きを行う際の支援も行う。

被害に遭った場合は、最寄りの警察署で被害届を作成することも必要だとシャヴィエール教授は勧める。

「行為を法的に分類し、手続きを進め、加害者がその行為に対して責任を負うようにすることが不可欠です」(シャヴィエール教授)

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)