イエスキリストの捜索と逮捕を再現する伝統行事「フォガレウの行列」、今年も開催

2026年 04月 5日

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ゴイアス市(ゴイアス州)、2026年4月2日 。「フォガレウの行列」は、聖週間に行われるイエス・キリストの逮捕場面の伝統的な再現劇で、同市では1745年から続く。聖木曜日の未明、街の灯りが落とされる中、色とりどりの衣装をまとった約40人のファヒココ(覆面の行列者)がたいまつを掲げて練り歩く(写真:@GovernodeGoias)

2026年の「フォガレウの行列」が4月2日未明、ゴイアス州ゴイアス市で行われ、地元住民や観光客など数千人が参加した。

国内でも最も伝統ある宗教行事の一つとされるこの行列は、聖週間の象徴的な儀式として、イエス・キリストの捜索と逮捕を再現しながら、市内の歴史地区を練り歩いた。地元メディア「オ・グローボ」、「UOL」(同日付)などが伝えた。

街の灯りが落とされた暗闇の中、たいまつを手にした、ローマ兵を象徴する覆面姿の「ファヒココ」と呼ばれる信者たちが石畳の道を進む。静寂とラテン語の聖歌、そして太鼓の重い響きが交錯する独特の雰囲気の中、30〜40分ほど続くこの行列は、旧ゴイアス州都における重要な宗教行事とされている。

イエス・キリストの捜索と逮捕を表わす「フォガレウの行列」は、聖週間(セマーナ・サンタ)に毎年行われる宗教儀式で、ミナスジェライス州のオウロプレット市やサン・ジョアン・デル・ヘイ市、サンパウロ州イトゥ市など各地で行われるが、ゴイアス州政府によると、ゴイアス市で行われるものが最も規模が大きく、毎年多くの信者と観光客を惹きつけている。この伝統は18世紀にまで遡り、スペイン・セビリアで行われていた儀式にその源流があるとされるという。

ゴイアス市では1745年前後に始まったと推定されているが、20世紀初頭に一時途絶えた。1965年、ヴィラボエンセ芸術・伝統協会(OVAT)の設立を機に、同協会の調査と地域住民の協力によって再興され、現在まで受け継がれている。

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ゴイアス市(ゴイアス州)、2026年4月2日 。「フォガレウの行列」は、聖週間に行われるイエス・キリストの逮捕場面の伝統的な再現劇で、同市では1745年から続く。聖木曜日の未明、街の灯りが落とされる中、色とりどりの衣装をまとった約40人のファヒココ(覆面の行列者)がたいまつを掲げて練り歩く(写真:@GovernodeGoias)

行列は聖週間の木曜日午前0時、ボア・モルチ宗教美術館の前から始まる。出発点を後にしたファヒココ(覆面姿で色鮮やかな衣装をまとい、たいまつを手にした男性たち)は、ホザーリオ聖母聖堂へ向かって進む。聖堂に到着すると、最後の晩餐を象徴する卓が置かれており、ファヒココと宿の主人との短いやり取りが演じられる。

ここで、キリストがすでに晩餐を終え、その場を去ったことが明かされると、行列は再び動き出し、丘の上に立つサン・フランシスコ・ジ・パウラ教会へ向かう。この教会はオリーブ山を象徴しており、そこでファヒココたちはキリストを見つけ、ラッパの音とともに逮捕を再現する。キリスト役は、宗教美術家ヴェイガ・ヴァーリの曾孫マリア・ヴェイガ氏が制作した、前後に描かれたリネンの絵画によって表現される。

その後、司教による説教が行われ、ファヒココたちは再び行列を組み、出発地点のボア・モルチ宗教美術館へ戻って儀式を締めくくる。ゴイアス市のフォガレウの行列は、2023年4月11日付法律第21.855号により、無形文化遺産として認定されている。

ゴイアス州政府は「フォガレウの行列は、細部に至るまで象徴性と視覚的な美しさに満ちている。ファヒココはキリストを追うローマ兵を表し、その様式はスペインのトレドやセビリアの儀式、さらには異端審問時代の伝統にも通じる。暗闇の中で揺れるたいまつ、素早く走る覆面の行列者たち──歴史あるヴィラ・ボアの街並みに、唯一無二の中世的な緊張感と美が立ち上がる」と、この行事を紹介している。

(文/麻生雅人)