COP30で人気だったアマゾン・フレーバーのアイス「COP30」

2025年 11月 25日

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パラー州の人気ソルヴェッチ(アイス)店「カイル」の人気フレイバー「カリンボー」とCOP30に合わせて発売された「COP30」(撮影/麻生雅人)

11月22日(土)に閉幕した、第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)では、会場内で販売された多様な飲食品が「オ・グローボ」、「メトローポリス」など現地メディアで話題になった。

会場で販売された食べ物の中で最も人気を博し注目を集めたといわれる、地元ベレン市のソルヴェッチ(ジェラートに近いブラジル流アイスクリーム)専門店「カイル」は、2026年に向けて、リオやサンパウロなど国内南東部の大都市への出店と、海外への進出を視野に入れているという。

COP30会場で会期中に食べ物や飲み物の提供業者はイベロアメリカ国家機構(OEI)の調整のもとで入札によって認定され、都市公園(パルキ・ダ・シダージ)に設置されたブルーゾーン(記者会見場や交渉団の専用エリア)とグリーンゾーン(一般公開エリア)で販売を行った。

販売を行ったのは、「カイル」やクラフトビールの醸造所「セルヴェジャリーア・アラグアイア」など、地元のハーブや果物、スパイスなどを使った製品で親しまれている名物店から、ベレン市郊外で、キロンボーラ(逃亡奴隷を中心に、先住民や他の集団も加わって形成された共同体の子孫の人々)の伝統を伝える家族経営の料理店「デリーシアス・キロンボーラ」など。

食事類の販売価格が市場価格より高くなったことへの批判の声は、11月6日(水)のCOP30開幕と同時にSNSを通じて拡散された。「UOL」や「ブラジル・パラレロ」などによると、ブルーゾーンに設置された売店ではパォン・ジ・ケージョが1個30レアル、ミネラルウォーター(350ml)が一本25レアル(一般のスーパーでは1本1~2レアル)、昼食は60〜90レアルと、市場価格を大きく上回っていたという。

「UOL」によると、参加した業者たちは、会場内賃料が高額だったため通常店舗よりも高い価格設定にせざるを得なかったという。しかしSNSでの批判の声が高まったことを受け、業者は利益幅を削り“自腹で”価格を吸収して値下げを行ったという。ラザニアや鶏肉のストロガノフは60レアルから45レアルに、ミネラルウォーターは20レアルに値下げが行われたという。

また「UOL」は、独自の調査で、賃料はドル建てで、会期全体で1平方メートルあたり200ドルを超える水準に達していたと報じた。ショッピングセンターのキオスク程度の広さのスペースに、約2万3千レアルを支払い「まるで空港のようだ」と語った業者の証言も紹介された。

価格問題についてはSNSでは批判の声が多かったが、各メディアは高い価格となっている背景を紹介して、原因は出展者ではなく運営サイドにあることを伝えていた。

今回、COP30会場で話題となった食べ物のひとつが、アサイー、タペレバ、バクリ、クプアスなど地元アマゾンの果実を使った地元の老舗ソルヴェッチ店「カイル」だ。ベレン市内に複数の店舗を持つ「カイル」は、観光名所エスタサォン・ダス・ドッカスにも出店しており地元の人々のみならず観光客にも人気の店だ。

「BNews」は、普段1カップ約10レアルの「カイル」のソルヴェッチはCOp30会場では25レアルだったが、それでも行列のできる人気店だったと伝えている。

「G1」、「パラー・テーハ・ボア」は、50種類以上のフレーバーを誇る「カイル」がCOP30会場で提供したのは17のフレーバーで、中でも最も高い人気を誇ったのが、COP30のためにレシピが考案された「COP30」と、地元で人気の「カリンボー」、そして「アサイー」だったと伝えている。

「カリンボー」は、自家製のクプアスのジャムとブラジルナッツを使った味。アイスの名になっているカリンボーとは、パラー州に伝わる伝統舞踏及び音楽の名だ。このフレーバーは、2022年にはローマで開催された世界ジェラートフェスティバルで「世界のベスト50」で32位に選出された。ブラジル国内のアイスクリームでは

COP30に向けて開発されたフレイバー「COP30」は、ピスタチオとクプアスとブラジルナッツを使ったアイス。発売されたのは気候会議に先駆け2024年の11月。以来、地元ベレンではすでに人気のフレイバーとなっていた。「カイル」のオーナーでソルヴェッチ職人のアルマンド・カイルン・フィーリョ氏によると、アマゾン地域を代表する地元の産品であるクプアスとブラジルナッツ(カスターニャ・ド・パラー)に、中東地域原産でヨーロッパで親しまれているピスタチオを加えた「COP30」の味は、「世界とアマゾンを結びつけるのが狙い」だという。

ちなみに、「カイル」と並んで地元ベレン市ではおなじみのジェラテリーア「ダマゾニア」も、COP30に合わせたオリジナルフレーバー「COP+」を発売している。こちらは、フルーツのバクリー、クマル―(トンカ豆)、ブラジルナッツ(カスターニャ・ド・パラー)と、材料はすべてアマゾン産品となっている。

「カイル」は、創業60周年を迎えた昨年(2024年)1月、アマゾンのフレイバーを世界に伝えるアンバサダーとして、パラー州の有形・無形文化遺産として登録されている。

また「ブルームバーグ」の中南米・カリブ版「ブルームバーグ・リネア」は、「カイル」が2026年以降、州を越えて国内の他地方(リオデジャネイロ州、サンパウロ州、ミナスジェライス州)に出店する計画があること、長期計画としては海外への出店も考えていることを伝えている。

(文/麻生雅人)