ブラジル連邦裁判所、元軍人を独裁期の女性政治活動家への性的暴行で有罪判決
2026年 08月 4日
【リオデジャネイロ、8月3日】 ブラジル連邦裁判所は、アントニオ・ヴァネイール・ピニェイロ・ジ・リマ元陸軍軍曹(通称「カマラォン」)に対し、1971年に歴史家で政治活動家のイネス・エチエンヌ・ロメウ氏に対して行われた加重監禁および性的暴行の罪で有罪判決を下した。
犯行は、リオデジャネイロ州山間部ペトロポリスに存在した、陸軍情報機関(CIE)が秘密裏に運用していた拷問施設「カーザ・ダ・モルチ(死の家)」で行われたとされる。
被告には12年11か月25日の禁錮刑が言い渡された。ただしカマラォンは自由の身で控訴することが可能となった。同氏はこれまで一貫して容疑を否認してきた。
本件の捜査は、連邦検察庁(MPF)のヴァネッサ・セゲッジ、アントニオ・ド・パッソ・カブラウ、セルジオ・スイアマの各検事によって進められた。
訴訟の当初から、検察側は被告の公職剥奪と「退職年金や報酬付きの退職給付の取り消し」を求めていた。
連邦検察庁の「移行期の司法」グループ(注:軍事独裁期の国家犯罪を検証し、民主化期の司法制度に反映させるための専門部門)は、性的暴行と監禁は、国家による体系的な攻撃として行われたものであり、「人道に対する罪」に該当すると主張した。
国際法および米州人権裁判所の判例に基づき、MPFはこれらの犯罪は時効が成立せず、1979年の恩赦法の適用対象にもならないとしている。
<歴史的証言>
イネス・エチエンヌ・ロメウ氏は2015年4月、ニテロイの自宅で呼吸不全により72歳で亡くなった。
反独裁活動家であった彼女は、1979年にブラジル弁護士連合(OAB)全国評議会に対し、軍事独裁期にペトロポリスの「死の家」でCIEの要員から受けた身体的・心理的拷問の詳細を証言した。この施設は、軍事政権下で秘密裏に運営されていた拷問・失踪の拠点として知られている。
<判決>
7月31日に言い渡された判決で、連邦地裁のマリア・イザドラ・フリザオン判事は、連邦検察庁が求刑していた性的暴行罪および監禁罪による有罪認定を妥当と判断した。
被告に科された刑罰は12年11か月25日の禁錮刑(刑期確定後の服役開始は閉鎖刑務所となる)に加え、軍人としての公職の剥奪も含まれている。
判決はまた、軍事独裁期に行われた性的暴行行為を「人道に対する罪」と認定した。このため本件は時効が成立せず、1979年の恩赦法の適用対象にもならないと判断した。
さらに判事は、被告に対し訴訟費用の支払いを命じるとともに、国防省に対して、被告に科された公職剥奪の刑について通知するよう文書を送付することを指示した。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




