新手の顔認証突破型なりすまし詐欺、安全対策用の顔比較技術を悪用

2026年 09月 7日

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ブラジル最大手の信用情報機関「Serasa Experian」は、顔の特徴が似た人物を探し出すために顔比較技術を悪用する新手の詐欺の手口を報告した(写真:Pixabay)

【ブラジリア 9月6日】  新手の身元詐欺が、顔の特徴が似た人物を探し出すために顔比較技術を悪用していることが明らかになった。この手法は「瓜二つ詐欺(顔類似性照合を悪用した生体認証回避型詐欺)」と呼ばれており、ブラジル最大手の信用情報機関「Serasa Experian(セラサ・エクスペリアン)」の分析・インテリジェンス部門が特定し、2026年上半期版「詐欺マップ」に記載された。

この詐欺は、本人確認や口座開設などの身元検証プロセスで、詐欺犯が別人になりすますことを目的に、顔認証システムを利用している。

<手口の仕組み>
Serasa Experianによると、犯罪者は自分の顔と各種データベースにある画像を比較できるツールを使用する。これらの画像には、不正に取得されたものも含まれる。

「顔比較エンジン」と呼ばれるツールを使用することで、詐欺犯と高い身体的類似性を持つ正規の人物の身元情報を探し出すことができる。詐欺犯はその中から、生体認証を通過しやすいと判断した身元を選び、詐欺に利用する。

この戦略は、先に個人情報を入手した被害者になりすます従来型の身元詐欺とはプロセスが逆だ。

<新手口の流れ>
詐欺犯は自分の顔を起点にする
身体的に似た人物を探す
潜在的な被害者の身元を特定する
その身元情報を使って詐欺を試みる
従来型では、詐欺犯はまず特定の被害者の個人情報を入手し、その人物になりすます方法を探していた。

Serasa Experianの認証・詐欺防止部門のレアンドロ・バルトラッシ・ディレクターによると、新手口は、安全性向上のために開発された技術が犯罪者によっても悪用され得ることを示しているという。

同社は、顔認証を唯一の認証手段として使用すべきではないと強調する。複数のシグナルを組み合わせることで、顔の分析だけでは検出できない不整合を見つけることが可能になる。

同社が挙げる補完的な仕組みには、以下が含まれる。

書類の真正性確認
ライブネス検証(なりすまし防止のための本人確認)
登録情報の照合
端末情報の分析
行動パターンの識別
その他のリスク指標の評価

<2026年上半期に286万件の身元詐欺の試行を検知し、阻止>
「詐欺マップ」のデータによると、Serasa Experianの不正防止ソリューションは、2026年上半期に286万件の身元詐欺の試行を検知し、阻止した。

この件数は、2025年同期比で32.9%増に相当する。同社によれば、これは5.5秒に1件の高リスク試行を検知した計算となる。

阻止された試行は、期間中に37億7,000万レアルの損失を回避したと推計されている。

Serasa Experianは消費者に対し、書類・写真・生体情報の露出リスクを減らすための注意を呼びかけている。

主な推奨事項は以下のとおり。

書類の写真や、書類を手に持った自撮り写真をSNSやメッセージアプリで共有しない
個人情報や生体情報は、公式サイト・公式アプリにのみ提供する
スマートフォンやアプリを強固なパスワードと二要素認証で保護する
リンク、メール、メッセージ、QRコード経由の予期せぬ顔認証要求を疑う
見知らぬ人物に顔や書類の撮影を許可しない
情報を一部隠していても、書類画像の投稿は避ける
スマートフォンやアプリを常に最新状態に保つ
CPF を定期的に監視する
不審な動きがあれば企業の公式窓口に連絡する

<企業側に求められる対策>
企業に対しては、単一の画像や情報だけで登録を完了させない、多層的な不正防止戦略を採用するよう推奨している。

Serasa Experianが示す組み合わせ例は以下のとおり。

顔認証とライブネス検証
書類の検証と分析
登録情報のクロスチェック
端末情報とオンライン行動の分析
繰り返し試行の監視
不審なパターンの識別
不正検知ルールやモデルの継続的更新

これらの要素を総合的に分析することで、顔の類似度が高くても、その他のデータが詐欺の可能性を示すケースを検知できるようになる。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)