日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか? 他国企業の後手にまわる経営戦略

2015年 05月 11日
ブラジルレアル

日本企業のブラジル撤退の原因として、もう一つ大きな課題を取り上げるのを忘れていたので、今回追記をしたい。それは、財務戦略である。

財務は、ある意味ブラジルでの経営の生命線であり、企業が途中で躓く起点となっていることも多い。根本的にブラジル財務に関して日本企業の本社は以下の3つの点で勘違いをしている。

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ルーラ前大統領が公式に捜査対象に。国際的な事業契約でブラジル企業の便宜図る?

2015年 05月 5日
ルーラ』前大統領に捜査の手

労働者の日(メーデー)の5月1日、サンパウロ市で開かれた中央統一労働者組合(CUT)の集会でルーラ前大統領が演説に立った。

ルーラ前大統領は、連邦検察庁が開始した大手建設会社の事業契約を巡る捜査で、ルーラ氏や社会経済開発銀行(BNDES)の名前が出ていると報じた「エポカ」誌の報道に対し、エリートやメディアを批判する発言を行ったと2日付伯字紙が報じた。

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日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか?現地で何が起きているか、本社の理解が不可欠

2015年 05月 4日
アマゾン熱帯雨林

日本企業のブラジル撤退の原因としてこれまで、「進出前の調査不足、戦略面も含めたフィージビリティスタディの欠如」、「グローバル化に対応していない人事制度」を前二回で挙げた。

まるで、自分が背負えるだけの食糧などをカバンに入れ、現地のガイドを雇わず、GPSと地図とガイド本だけでアマゾンの奥地へ分け入り、熱帯雨林に体も気持ちも慣れて、目的地の4分の1ぐらいに来た時に帰る時期となり、折り返しているのに等しい。

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日本企業のブラジル撤退はブラジルのせいか?<2>グローバル時代にふさわしくない日本の人事制度

2015年 05月 3日
lg-g4-g1

前回、日本企業撤退の原因の一つとして、進出前の調査・フィージビリティスタディの欠如を挙げた。ふたつ目の大きな理由は、グローバル時代にふさわしくない日本の人事制度だ。

真の意味でグローバル企業かどうかは、人事評価=キャリアパスに現れると思っている。日本のほとんどの大企業は、海外に進出するという意味での国際化は何十年も前からされているが、真のグローバルな組織になっている会社は少ない。

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ブラジリアが遷都55周年

2015年 04月 27日
brasilia

ブラジルの首都ブラジリアが4月21日、遷都55周年を迎えた。

この日、好天に恵まれた市民達は、21カ所で開催される57のイベントを楽しむべく、早朝から自転車やスケート、徒歩で街頭に繰り出した。21日~24日にかけて現地メディアが伝えている。

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ムーディーズ、ブラジル企業5社の格下げ可能性を示唆。ペトロブラス贈収賄事件の汚職摘発捜査も影響か

2015年 04月 23日
オーデブレヒ社 格下げ

世界有数の格付会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが4月21日に投資格付を引き下げる可能性のある企業のリストを発表し、ブラジル企業5社が投機的水準のBaに転落する可能性のあるグループ入りしたと22日付伯字紙が報じた。

ムーディーズの格付はAaa以下、Aa1、Aa2の様にアルファベットと数字で表記され、Baa3までは投資適格とされるが、Ba1~3、B1~3、Caa1~3、Ca、Cは投資不適格と判断される、

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リオ五輪競技場建設に遅れ? 事業費未払いで工事担当業者は作業員を解雇

2015年 04月 2日
デオドーロ競技複合施設

リオ五輪の会場の一つのデオドーロ総合競技場建設を請け負っているコンソーシアムが作業員を解雇し始め、建設工事中断の可能性が出ていると(4月)2日付伯字紙が報じた。

同競技場はリオ五輪で11種目、パラリンピックでも4種目の会場となり、総工費6億5千万レアルの工事は昨年8月に始まったが、コンソーシアム財政部門担当の連邦貯蓄銀行がリオ市役所を通して払った事業費は今年1月の6千万レアルのみ。毎月支払うとの条件は守られず、未払い額は8千万レアルに上る。

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