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「パスコア」を祝う日が毎年、移動する理由は!?

パスコア

ブラジルの復活祭「パスコア」は、キリストの誕生日(クリスマス)のように決まった日ではなく、年によって移動します。

例えば2015年は4月5日がパスコアになりますが、毎年この日がパスコアとなるわけではありません。

325年まで、キリスト復活を祝うパスコアや、セマーナ・サンタ(聖週間。パスコア(復活祭)の日の前日までの1週間)は、決まった日にちが設けられていなかったそうです。

最初に日にちを主導したのはローマ帝国のコンスタンティヌス1世で、同年にニセイア(現在のトルコ辺り)で行われたニカイア公会議ではじめてパスコアの日が制定されたのだそうです。

ニカイア公会議で北半球における春分の日を起点に決められたパスコアの日は、16世紀に教皇グレゴリア13世がグレゴリア歴を設定して以降はよりわかりやすく日にちを決められるようになりました。

「北半球における春分の日(南半球にあるブラジルでは秋分の日)の後にくる最初の満月の日の、次の日曜日」がパスコアの日となりました。大体毎年、3月22日~4月25日の間になるそうです。2015年は4月5日、2016年は3月27日、2017年は4月16日、2018年は4月1日となるそうです。

ところで、毎年開催されるカーニバル(カルナヴァウ)も開催時期が毎年異なりますが、これは、パスコアの日を起点にしてカーニバルの開催日が決められているためです。

パスコアの日から遡って、日曜日を除く40日前の水曜日が「Quarta-feira de Cinzas(灰の水曜日)」で、この日からパスコア前日までの日曜日を除く40日間はQuaresma(クアレズマ、四旬節)と呼ばれ、この期間は祝い事、肉食を自粛する習慣がありました。

そして、断食に入る灰の水曜日の前に肉を食べ祝祭を行おうというのが、謝肉祭としてのカーニバルというわけです。

つまりカーニバルの期間は、パスコアの日に合わせて決まるため、日程が毎年変わるというわけです。ちなみにカーニバルの期間が「灰の水曜日の前の3日間」(現在は4日間)と定められたのも1582年、グレゴリウス歴が制定されたときのことだそうです。

かつて復活祭の原型の春祭りがキリスト教と結びついていなかった時代、女神オステラを祝福する春祭りは、満月の日に行われていたそうです。その民衆の間に根付いていた習慣が、キリスト教文化の暦に取り入れられて、パスコアの日が決められることになったというわけです。

ちなみに、パスコアの語源はユダヤ教のペサックでしたが、英語圏におけるイースターの語源は、女神オステラの別名イオストリに由来しているそうです。

(文/麻生雅人、写真/Alex Silveira/Agência Amapá)
写真は2015年3月26日、アマパー州マカパーのスーパーマーケット。シーズンを前に同州の軽量測定院(IPEM)が商品の規格調査を実施した(調査員は写真内、買い物客の背後)

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著者紹介

麻生雅人 Massato Asso  ブラジル文化の紹介、文筆、TV・ラジオ番組、ブラジル関連催事企画広告監修、編集、音楽選曲。Mega Brasil編集長。2001年以来、年に数回渡伯してブラジル各地の食文化、トレンド、伝統芸能などを調査。

編著に「A Boa Vida」(三越伊勢丹ホールディングス)、「A Boa Vida 2015」(三越伊勢丹ホールディングス、※サイトのみ)、「ブラジルカルチャー図鑑(共同編集:山本綾子)」(スペースシャワー・ブックス)、「ブラジリアン・ミュージック」「サンバ」(以上シンコー・ミュージック)など。「るるぶ ブラジル・アルゼンチン」、「R25」、「アウテルナチーヴァ」など旅行ガイド、雑誌、ブラジル音楽CD解説などにも執筆。

出演は「ボサノバ最高の詩人モラエス」(NHK-FM 13年11月)、「日曜喫茶室」(NHK-FM 14年5月)、「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ 14年6月)、「ブラジルまるかじり紀行」(NHK-FM 14年6月)、「ブラジルまるかじり紀行2」(NHK-FM 15年6月)、「今日は1日ブラジルまるかじり三昧」(NHK-FM 16年7月)、「ノンストップ」~<そもそもシュラスコとは何?>(フジテレビ 16年8月)など。

講演は「第一回ブラジル食品展示会」(駐日ブラジル大使館 16年2月)、「第二回ブラジル食品展示会」(駐日ブラジル大使館 16年8月)、「ブラジルはなぜカラフルなのか」(パナソニックセンター、16年8月)、「カラフルでおいしいブラジル」(LunchTripブラジル便 16年10月)、「ブラジル食品飲料市場の最前事情 国内地方産物への注目とQOL志向の高まり」(日本ブラジル中央協会 17年1月27日)など。

最新刊は「おいしいブラジル」(スペースシャワー・ブックス、16年)