「2020年度版・サンパウロ路線図」が不動産市場に影響!?

2016年 06月 19日

サンパウロ 地下鉄

1. 3号線(赤)-混雑が緩和

市内の東地区の住人は通勤ラッシュのこの路線が地獄だということを知っている。始発がコリンチャンス・イタケラ駅、終点がバーハ・フンダ駅の3号線の混雑は異常で乗り換えもままならない。

同路線の終点、バーハ・フンダ駅より手前にある駅に住む住民の多くが、座るため、または単に電車に乗り込むためだけに、いったん終点のバーハ・フンダまで行ってイタケラ方面に折り返す電車に乗り換えている。バーハ・フンダの次の駅、アルトゥール・アウヴィン駅ではすでに乗り込むことすら難しい状態だ。

なぜこのようなことが起こるのか?

東地区の住民は市の中心部に出るために、3号線か11号線に頼るしかない状態がずっと続いている。バスなども中心部には乗り入れていないのだ。鉄道のストが起こると、この地区の路線バスは需要の大きさに耐えられない。

少なくともあと4路線がこの東地区を通れば、3号線への集中が緩和されただろう。将来の駅「アリカンドゥーヴァ」は夢の路線図上では現在の2号線(緑)の延長上にあるが、その付近の住民は、例えば、3号線のペーニャ駅を使う代わりに6号線(オレンジ)と4号線(黄)を使ってセントロ地区に行ける。そして単純にペーニャ駅に行くバスに乗る必要もなくなる。

(次ページへつづく)。

(文/余田庸子、写真/Lena Diaz/Fotos Públicas)
3号線にあるセー駅の混雑