<Entrevista> Serginho Groisman セルジーニョ・グロイズマン

2013年 08月 18日

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ブラジルフェスティバル2013に出演するため来日した、ブラジルの人気司会者セルジーニョ・グロイズマン。

セルジーニョ・グロイズマンは1950年、サンパウロ生まれ。70年代にMPBのコンサート運営をはじめ、77年にFAAP大学(Fundação Armando Álvares Penteado)でジャーナリズムを専攻。1980年代後半にサンパウロのTVガゼッタの「TV MIX」という番組でTV界にデビューしました。その後、TVクウトゥーラ、SBTなどでも番組を担当、90年代末からTVグローボで活躍しています。

TVグローボで2000年にスタートしたトークバラエティ・ショー「Altas Horas アウタス・オーラス」の司会者としても有名です。

「「アウタス・オーラス」は、スタジオに来てくれた観客やゲストと直接、フレンドリーに対話する番組です。だから主役は、番組に招待されたみなさん。私たちは、来てくれた観客もゲストも、同じようにリスペクトしています」

「皆がテレビと友情関係を持ってほしいんです。だから番組では、ゲストがテレビに来ている、という感じではなく、画面に映っていることを忘れてくつろいで話あえる場を心がけています」

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番組では音楽も重要な要素。ゲストでは人気シンガーも呼ばれ、ライヴが行われます。これまでにもミウトン(ミルトン)・ナシメント、カエターノ・ヴェローソ、パト・フ、ゼカ・パゴヂーニョ、ジウベルト・ジウ(ジルベルト・ジル)、アナ・カロリーナ、ルル・サントス、サンヂーなどが出演しています。

また、国外でグローボを放送するTVグローボ・インターナショナルでは、「Alô Brasil アロー・ブラジル」というジングル的な1分間のシリーズ番組も担当。この番組ではブラジル各地のさまざまな文化、自然を紹介しています。

「TVグローボ・インターナショナルは遠く離れた国外で生活しているブラジル人が多く見ています。ブラジルへの懐かしさを埋める役割もあるんです」

毎年、ブラジルフェスティバルに参加するのも、故郷から遠く離れた日本で生活しているブラジル人たちと交流するためだそうです。ブラフェスの舞台では、出張「アウタス・オーラス」コーナーも恒例となっています。

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「彼らと交流することが楽しみです。毎年、2日間の交流ですが、フェスティバルが終わるとまた来年!といって再会を約束するんです」

「ご存じのように数多くのブラジル人が日本に滞在して働いています。日本に来て働くことは簡単なことではありません。90%以上の人は工場で働いています。労働条件も厳しく、多くの場合は単身で日本に来て働き、お金をブラジルに送金します」

「日本に働きにくるブラジル人は、どこで働き、いくら給料をもらえるか、条件も決まっている人が多いのですが、仕事を変えることは容易ではありません。たとえばアメリカ合衆国では、仕事が自分に合わなければウエイターやセールスマンなど、いろいろ仕事を変えて、中にはチャンスを掴む人もいます。でも日本ではそれは困難です」

「日本語を話せない人もいますが、長い時間働いていて他の人と接触する時間がないことも、言葉を覚えられない要因のひとつです」

「このような厳しい環境で働いて生活している、日本で生活しているブラジル人たちをリスペクトしています。だから、たとえば今年のルアン・サンタナにように、ブラジルフェスティバルで、彼らの間で人気の高いスターを紹介できることは、とても嬉しいのです」

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何度も日本を訪ねているセルジーニョから見て、日本とはどんな国なのだろう?

「いかにみなさんが、自分の国を愛し、大切にしているかを感じます。コミュニティは快適に生活できるようインフラが整っていますし、他の誰でもない、みなさん自らが街をいつも綺麗にしている。これは素晴らしいことだと思います」

「ブラジルもそうですが、他の多くの国では州ごとに行政単位が異なるので国全体としてはバラバラな意見になりがちです。日本はひとつの国として、みなが日本という国のことを考えていますよね? これも、みながひとつになって国のことを考えている要因ではないかと思います」

「フェスの打ち上げでレストランにいったときのことですが、2次会が行われる店がわからなかったとき、そのレストランの従業員の方が、まったく関係のない店であるにも関わらず、2次会の行われる店まで連れて行ってくれたことがありました。日本では、人々の親切さに感激したことも何度もあります」

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日本はユニークな文化の宝庫というセルジーニョ。ブラジルとは異なる日本の文化で、最も驚いたのは?

「最近は「添い寝屋(Soine-Ya)」にびっくりしました。一人暮らしの男性が寂しいときにSoine-Yaへ行き、女性に横に寝てもらうサービス。ブラジルでは理解できないサービスです(笑)」

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http://memoriaglobo.globo.com/perfis/talentos/serginho-groisman.htm

(写真/文・麻生雅人 Massato Asso)