アマリウド・ヂ・ソウザさんの失踪事件に進展、被告警官10名が拘留

2013年 10月 5日

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ホッシーニャの住人で石工の Amarildo de Souza アマリウド・ヂ・ソウザさんの失踪事件が大きく進展した。アマリウドさんは、7月14日にホッシャーニャのスラム街における常駐の軍警察治安維持部隊(Unidade de Polícia Pacificadora (UPP) )に連行されて以来行方が分からなくなっている。

リオデジャネイロの文民警察本部(Divisão de Homicídios da Polícia Civil)は10月1日(火)、リオ検察庁(Ministério Público do Rio)に対し、10名の軍警察治安維持部隊(Unidade de Polícia Pacificadora (UPP)関係者が事件に関与していることを示唆する報告を提出。これを受けてリオ市警(Polícia Civil do Rio)は10名の警官を起訴したことを「エスタダォン」などが報じていた。アマリウドさんの殺害と死体隠蔽の容疑がかけられているという。

そして10月4日(金)、リオの刑事35号法廷(35ª Vara Criminal do Rio)、Daniella Alvarez Prado ダニエラ・アウヴァリス・プラド判事は、ホッシーニャのUPPに配属されていた10警官(内、2名は士官)をアマリウドさんの拷問と殺人の容疑で再拘留を決定したことを「エスタダォン」などが報じた。

脅迫に関する証拠も見つかっている模様で、3人いるとされる証人は連邦政府の保護プログラムで保護されているという。また、10月3日付けの「グローボ・リオ」(電子版)は、アマリウドさんが拷問を受けて死亡しているという調査結果があることを報じている。

拘留されている被告は、当時UPPの司令官だったEdson dos Santos エヂソン・ドス・サントス少佐、Luiz Felipe de Medeiros、当時UPP副司令官だったルイス・フェリッピ・ヂ・メデイロス中尉、Jairo da Conceição Ribas ジャイロ・ダ・コンセイサォン・ヒバス軍曹、Douglas Roberto Vital Machado ドウグラス・ホベルト・ヴィタウ・マシャード、Marlon Campos Reisマルロン・カンポス・ヘイス、Jorge Luiz Gonçalves Coelho ジョルジ・ルイス・ゴンサウヴェス・コエーリョ、Victor Vinícius Pereira da Silva ヴィトール・ヴィニシウス・ペレイラ・ダ・シウヴァ、Anderson César Soares Maia アンデルソン・セーザル・ソアーリス・マイア、Wellington Tavares da Silva ウェリントン・タヴァレス・ダ・シウヴァ 、Fábio Brasil da Rocha ファビオ・ブラジル・ダ・ホッシャの10名。

ところで、このアマリウドさん失踪事件の反響はブラジル各地でさまざまな反響を呼んでいる。

現在公開中の「エリジウム」にも出演している俳優Wagner Moura ワギネル・モウラは、8月10日にヒオグランヂドスウ州で開催されたグラマード映画祭で、映画人としてのキャリアに対してグラマード市賞を受賞した際、壇上で、賞をアマリウドさんの残された子供たちに捧げると発言した(8月10日付け「G1」電子版)。

「明日(6月11日)は父の日ですから父とランチをしたいところですが、彼は2011年に世を去りました。この賞を父に捧げたいと思います。また、私は飛行機でリオにいる子供たちに会いに行き、共にランチをするでしょう。しかし、ホッシーニャでは6人の子供たちが、父親と共に父の日を過ごすことができません。彼らの父親の名はアマリウドさんです」(ワギネル・モウラ、同「G1」)

また、ワギネル・モウラとカエターノ・ヴェローゾはSérgio Cabral セルジオ・カブラウ・リオ州知事の担当官を訪ね、事件の明確化を要請したという。

(文/麻生雅人、写真/Fernando Frazão/ABr)
写真は8月1日にリオで行われたアマリウドさん事件の真相追求を求めるデモ