ブラジルトヨタ基金のスミレコンゴウインコ保護プロジェクト

2013年 10月 5日

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10月5日(土)より全国のイオンシネマで限定公開が始まったアニメ映画「ブルー 初めての空へ」の主人公は青いコンゴウインコ。コンゴウインコにはいろいろな種類があって、主にパナマ辺りに生息するカラフルなルリコンゴウインコがよく知られています。

ブラジルにも幾種ものコンゴウインコ(ブラジルではArara アララ)がいますが、「ブルー 初めての空へ」に登場するスミレコンゴウインコ(写真)は、現在は絶滅の危機にさらされています。実はこの映画は、そうした美しい鳥の存在を人々に知らせる意味も込められて作られたのだそうです。

ところで、ブラジルを含む南米にはスミレコンゴウインコ以外にも、数種類の青いコンゴウインコがいます。

スミレコンゴウインコはブラジルではアララ・アズウ。絶滅危惧種。学名はAnodorhynchus hyacinthinus、英名はBluw Macaw。アララ・アズウに関しては「ブルー 初めての空へ」紹介記事内でも紹介しています。

コスミレコンゴウインコはarara-azul-de-lear アララ・アズウ・ヂ・レアル。絶滅危惧種。75センチほどの中~小型のインコ 学名はAnodorhynchus leari、英名はIndigo macaw。

アオコンゴウインコはArarinha-Azul アラリーニャ・アズウ。絶滅寸前種。学名はCyanopsitta spixii、英名はLittle blue macaw。体は青色ですが頭部や羽はグレーです。シッコ・メンデス生物多様性保全院と環境省のプログラムで飼育繁殖プロジェクトが行われています。

ウミアオコンゴウインコはArara-Azul-Pequena アララ・アズウ・ペケーナ。1912年にロンドンの動物園で絶滅したと考えられています。学名はAnodorhynchus glaucus、英名はGlaucous Macawでした。

青色は大青(植物)を染料として創られており、古代より高貴な色と見なされ、貴族に好まれました。単色の青い鳥は鳥類にも稀な存在で、収集家の所有意欲を高めてしまいました。1900年頃ベルリン動物園を訪れた人以外は上記の4種類を同時に見た人はいないと思われます。

さて、このうち映画「ブルー 初めての空へ」でもおなじみのスミレコンゴウインコの保護プロジェクトを、日本のトヨタがサポートし続けています。

1990年に生物学者のNeiva Guedes ネイヴァ・グエデス(ゲヂス)氏を中心にスミレコンゴウインコの保護プロジェクトを発足させた当時から、ブラジルトヨタは、湿地帯奥地にまで運転できる四駆のバンデランテやハイラックスなどの寄贈を通じて、生息地の生態系を保全する活動を支援してきました。

2009年にはブラジルトヨタ基金を設立。支援を拡大して、プロジェクトの歴史を本紹介した本を刊行するなど、世論の喚起にも努めています。また2013年には、持続的な保護活動を目指して教育センターを開設する予定もあるそうです。

(文/加藤元庸、写真/Alastair Rae)