ブラジル政府がスタジアムのセキュリティ強化を討議

2013年 12月 14日

サッカー安全会議

12月8日(日)、全国選手権のアトレチコ・パラナエンセ対バスコ・ダ・ガマが開催されていたサンタカタリーナ州のアレーナ・ジョインヴィーリで乱闘騒ぎが起きた。これを受けてブラジル政府は、12月12日(木)、司法関係者やスポーツ関係者を集めて、スタジアムのセキュリティに関するディスカッションを行ったと、12月12日に「アジェンシア・ブラジル」が伝えた。

会議はスポーツ省で行われ、スポーツ最高裁判所(STJD)、ブラジルサッカー連盟(CBF)のメンバーも参加した。テーマはスポーツイベントのセキュリティ、特にサッカーの試合の最中のセキュリティについて。「治安当局と民間機関の間で(セキュリティの)基準を統一しなければなりません。また何をすべきか、誰が責任を負うかを定めなければなりません」と法務省のジョゼー・エドゥアルド・カルドーゾ大臣が語った。法務省は、すでにセキュリティの手順のガイドは打ち出しているという。

サポーターたちに関する専門の裁判所や警察署を設ける議題も州政府や司法による会議で取り上げられたという。さらに、スタジアムへの入場を禁じられている者、組織化されたサポーターのリストも必要だという議題も上がった。

このリストは、いくつかの州には存在しているという。カルドーゾ大臣は国のものとして統一すべきで、すぐに取り掛からなければならない問題と、ひとつの意見として取り上げる段階の問題の仕分けも重要だと語ったという。

「リストはただ存在しているだけで、活用しなければ意味がありません」(カルドーゾ大臣)

カルドーゾ大臣とスポーツ省のアウド・ヘベーロ大臣は、サポーターたちがクラブで暴力や不法行為に巻き込まれた際の、クラブの説明責任にも言及したとのこと。

「クラブは300万ヘアイス(レアル)(約1億3300万円)の罰金を払うより、罰則でポイントをはく奪されることを避けたいと考えているでしょう。罰金はお金をかき集めればなんとかなりますから」(ヘベーロ大臣)

会議ではその他に、各州の警察にある情報収集・分析部門の一本化も話題になった。カルドーゾ大臣は、各州がCBFと共に力を合わせて、すべてのスタジアムがセキュリティに関する設備を整えるべきだと語った。

「ワールドカップのためのセキュリティ・プランは詳細に出来上がっています。これはコンフェデレーションズ・カップのときに実証されているものです。だから今現在は、ワールドカップ以外のスポーツを行う際の対策が求められています」(カルドーゾ大臣)

政府は対策の講じ方を規定するために、スポーツ省による専門家チームを招集する予定だという。

「準備は迅速に行われるでしょう」(カルドーゾ大臣)

議論のために3回の会議が用意されているという。一つは各州の公共の安全に関わる責任者の間で行われるもの、二つ目は国家公共審議会と国家司法審議会の代表たちによるもの、三つめはCBF、スポーツ最高裁判所(STJD)、各州のサッカー協会によるもの、とのこと。

カルドーゾ大臣は「これはワールドカップのためのものではありません。FIFA、各州政府、CBFとすでにプランを話し合っています」と語り、懸念となっているのは2014年のワールドカップに関する安全性というわけではない、ということを強調したとのこと。

(文/麻生雅人、写真/Elza Fiúza/Agência Brasil)
12月12日(木)、ブラジリア。政府はスタジアムの安全について討議した。ジョゼー・エドゥアルド・カルドーゾ法務大臣(左)とアウド・ヘベーロ・スポーツ大臣(右)