相次ぐ治安維持部隊(UPP)常駐警察署への銃撃。警察官に犠牲者も

2014年 02月 4日

UPPセレモニー

2月2日(日)、住民の治安を守るためのコムニダーヂ(ファヴェーラなどのコミュニティ)に常駐している治安維持部隊(UPP ウー・ペー・ペー)のうち、コンプレクソ・ダ・ペーニャ地区ヴィラ・クルスのファヴェーラ・パルキ・プロレタリオにある部隊が犯罪者からの攻撃を受けた。この襲撃で、警官の一人、Alda Rafael Castilho アウダ・ハファエウ・カスチーリョさん(28)が犠牲になった。2月3日(月)付け「G1」、「テーハ」など(すべて電子版)が伝えている。

自動小銃で武装した数名の男たちが車で乗りつけ、署に向かって発砲。署の前にいたアウダ警察官が腹部に被弾した。

新しくリオ北部ジャカレジーニョ地区の文民警察署長に就任したフェルナンド・ヴェローゾはこの問題にコメントした。フェルナンド所長はアレマォン、ペーニャの二つの地域を管轄する。

「ウー・ペー・ペーは大きな問題に直面していますが、私たちは撤退しません。あの場所は軍警察のシンボルである青と白の色です。一度常駐したからにはその場所にとどまり、決して生易しくはないでしょうけれど、そこにある問題を解決して平和を取り戻すために活動します」。

3年間、就任していた元署長のマルタ・ホッシャによると、このところ犯罪者からの攻撃が増加しているという。先日もコンプレクソ・ド・アレマォン地区に配備された45分署は銃や手りゅう弾、火炎瓶などで攻撃された。

「麻薬取引を取り締まることで報復で路上の犯罪が起こることもありますが、根気強く活動を続けることで犯罪全体を少なくしていけると信じています」(マルタ元署長)

ウー・ペー・ペーの襲撃は2013年11月ころから頻繁に起きている。「G1」の自社調査によると、2013年12月から2014年1月にかけて、ウー・ペー・ペーへの襲撃が10件起こっているという。

また3日(月)、リオの12の地域で警察の一斉捜査が行われ、麻薬取引の疑いが持たれた人物1名が射殺され4名が逮捕され、麻薬や銃器類が押収されたという。この中に、ウー・ペー・ペーを攻撃された実行犯も含まれていると見られている。

コミュニティに24時間型でウー・ペー・ペーは、日本における交番にも近い活動を行っており、地域住民とコミュニケーションを取りながら活動している。1月17日(金)にはジャカレジーニョ地区で、ウー・ペー・ペー施設を使って18組の地域住民のための結婚式を執り行っている。

(文/麻生雅人、写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)
写真は2013年9月。2008年にドナマルタ地区をかわきりに、リオの各コムニダーヂに常駐が始まったUPP。この日は配置転換のセレモニーが行われた