サンタカタリーナ州が国内豚肉生産ナンバーワンである理由

2014年 03月 12日

FOODEX JAPAN2014のブラジル・パビリオン

3月5日(水)、幕張メッセで開催されたFOODEX JAPAN2014のブラジル・パビリオンにて、サンタカタリーナ州産豚肉やブラジルの鶏肉産業などの、日本への輸出に関するプレゼンテーションが行われた。

プレゼンテーションは、Associação Brasileira da Indústria Produtora e Exportadora de Carne Suína ブラジル豚肉輸出業協会(ABIPECS)のRui Eduardo Saldanha Vargas フイ・エドゥアルド・サウダーニャ・ヴァルガス会長、Sindicato das Indústrias de Carnes e Derivados do Estado de Santa Catarina サンタカタリーナ州食肉及び関連食品産業組合(SINDICARNE)のRicardo De Gouvêa ヒカルド・ヂ・ゴウヴェア理事、União Brasileira de Avicultura ブラジル養鶏連盟(UBABEF)のFrancisco Sérgio Turra フランシスコ・セルジオ・トゥッハ会長、ミート・ビジネス・コンサルタントの塚田勉氏などによって行われた。

フイヴァルガス会長

ブラジル豚肉輸出業協会(ABIPECS)のフイ・ヴァルガス会長は「近年、ブラジルの豚肉生産は600%増大し、輸出は40%の増加を達成しています」と語った。

ブラジルの豚肉業界では2013年度、344万トンを生産、51万7000トンを輸出、293万トンを国内で消費したという。ブラジル豚肉輸出業協会(ABIPECS)は、豚肉の輸出が2014年度には56万トン、2015年には58万トンになるとみているとのこと。

「ブラジルの豚肉輸出量は世界4位、年間輸出額は14億USドルを達成しています。食品の安全性は確保されており、70ヶ国に輸出されています」(フイ会長)

ヒカルドヂゴウヴェア理事

サンタカタリーナ州食肉及び関連食品産業組合(SINDICARNE)のヒカルド・ヂ・ゴウヴェア理事は、同州の豚肉生産における特徴について語った。

「同州は州の面積の41.5%が原生林、31.2%が草地、および放牧地、16.1%が農地、7.35が再植林となっており、都市部はわずか1.8%です。州の東は大西洋に面し、西は保護林、北は農地、南には大河が流れています。衛生管理がしやすい、地理的に恵まれた環境にあることも、サンタカタリーナ州で食肉産業が盛んな理由のひとつです」(ヒカルド理事)

事実、サンタカタリーナ州はブラジル最大の豚肉生産・輸出州で、60年以上の歴史を持つ有名ブランドも拠点を持っている。衛生環境やトレーサビリティに関しては、日本など基準の厳しい国にも対応できるように国際基準が尊守されていることを強調した。

「同州の豚は、仔豚から大人までの一貫生産で、厳しい条件の中で動物福祉の面にも気を配って大切に育てられています。先端技術が駆使されているのはもちろん、もし医療品が使用されれば何が使われたのかまで明確にわかるような記録が残る生産システムを構築しています」(ヒカルド理事)

理事は、すでに鶏肉の日本への輸出で実績と信頼を得ているだけに、サンタカタリーナ州産の豚肉も日本で広く親しまれることを願いますと、締めくくった。

(写真・文/麻生雅人)
写真上は、ブラジル・パビリオンで平田マリ氏が紹介したサンタカタリーナ産豚肉を使った豚の角煮丼