4月15日、今年5回目のW杯抗議デモが起こる。12日にはW杯反対ホレジーニョも

2014年 04月 19日

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4月15日(火)、ブラジルでワールドカップの出費などに異議を唱えるデモが行われた。2013年のコンフェデ杯の時期に起こった抗議デモに比べると規模は大きくはないが、それでもサンパウロでは今年に入って5回、W杯への抗議デモが行われている。

リオデジャネイロでは、午後15時半ごろからリオ市役所前で、リオ市北部エンジェーノ・ノーヴォにある元電話通信会社だった空きビルを占拠していた住人たちのうち約400名が抗議運動を行っていたという。一方、夜の19:30ころからカンデラリアからW杯抗議デモがはじまり、20時ころに両者は合流したという。同日付け「G1」(電子版)が伝えている。

ブラジル大通り、ヴァルガス大統領大通りなどの通行を一時的にストップさせたり、地下鉄シダーヂ・ノヴァ駅の入口が一時的に閉められるなどの影響があったという。旧市街区の第五軍警察大隊(5º BPM)はブラジル中央駅に向かった一部のグループに同行、サン・クリストーヴァォンの第四軍警察大隊(4º BPM)は暴動鎮圧大隊を市役所前にそのまま待機させたという。

一方、サンパウロでは、2014年に入り5回目のデモが行われた。学生、社会活動家まで様々な立場の人がデモに参加したが、一部暴徒による破壊行為も起こり、逮捕者も出た。インターネットでは5000人近くが参加を表明していたが、雨だったこともあり実際に集まったのは1000人ほどだったという。こちらは同日付け「ヴェージャ」(電子版)より。

デモに参加していたブラックブロックの一団はサンパウロ美術館の前でブラジル国旗を焼き、行進に加わった。警察も約1000人の兵隊を派遣した。デモ隊は19時40分ころパウリスタ大通りをコンソラサォン方面に向かい、ヘボウサス大通りへ降りていき同通りを行進。その間に公共の場の時計や建造物の壁に落書きをする者もいた。

21時45分頃、行進が終わりに近づいたころ、ブラックブロックはヴィタウ・ブラジル大通りでサンタンデール、HSBC、ブラデスコなどの銀行の施設や公衆電話を壊し始め、地下鉄ブタンタォン駅近くで54人が軍警察に逮捕された。

また、この3日前の4月12日(土)にはサンパウロのショッピング・センター、メトロ・イタケラの施設内で、facebookの呼びかけで集まった約40人ほどがW杯反対を訴えるコンパクトなホレジーニョ型抗議デモを行った。メッセージを記したボードを持った参加者が「ワールドカップはナシだ」というスローガンなどを数分間、施設内で叫んだ後、団体は施設を去った。

参加したメンバーは、ホレジーニョ型抗議デモはこれからも、ショッピングセンターや空港など、人が多く集まる様々な場所で行われるだろうと語ったという。

(文/麻生雅人、写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)
4月15日、リオデジャネイロ市の旧市街区でのデモ。別に抗議活動をしていた、住居としていたリオ市北部エンジェーノ・ノーヴォにある元電話通信会社だった空きビルの元住人たちも、デモに合流した